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頭の後ろが痛い。
…あれ、なんだろうここ。
いつものベッドでもソファでもない。
「泣くな、情けない。」
「……だって。そんな…」
「こんなの端くれだ。そんな覚悟でよく知りたいだなんて言えたな。」
…誰かの声と小波くんの泣く声が聞こえる。
怖い人ではない。
でも、誰の声だったか思い出せない。
ええと…悪い人じゃなかったはずなんだけど。
「続きは目が覚めたら本人に直接聞け。…いいな。」
「…はい。」
…目が覚めたら本人に聞け?
もしかして俺の話をしてる?
ぼーっとしていた頭が少しずつ冴えてくる。
ええと。
そう、確かこの声は。
「ひ、っ…!?」
「…っお前、…いきなり起きるなよ、…」
慌てて体を起こして目の前の2人を見つめる。
右に小波くん。
左に誰か、知らない人。
でも おかしい。
聞かれたらいけない話をこの人たちはきっとしていた。
「すみません、…名前を聞いてもいいですか?」
「…吉田だ。」
「あぁ、…ええと。吉田さん。…小波くんへ何か言いましたか?」
「悪いな。少しだけだ。仕事をしていく上で最低限のことを…」
「っ、…どこまで話したんですか…!?」
目の前が歪んで見える。
知られたくない。
「お前の弟の体の話と」
何も、知られたくない。
違う
「…お前のその、記憶力の話だ。」
知られたら 失望されてしまう。
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