アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
13
-
先生に手を引かれて廊下を歩く。
殺される。
きっと 殺されるんだ。
「憂くん、下向いて歩いちゃダメって言ったよね?」
「…ごめんなさい。」
「いいよ。」
「へ、……っ…」
「今からお仕置きだから。」
お仕置きって言葉が一番嫌い。
怖い。
沢山酷いことをされる。
殴られたり 蹴られるのはマシ。
苦手なのは裸にされて鏡の前に立たされるの。
頭がクラクラして足元がふらつく。
夜、お仕置きで寝れないからかな。
寒気がして頭が痛くて気持ち悪い。
でも 体調が悪いとお仕置きされるから。
バレないようにしなきゃ。
「ほら、入って。」
「…はい。」
いつものお仕置き部屋に入る。
鍵をかける音がして窓にカーテンがかかる。
僕と先生の2人だけ。
誰か助けて なんて言えない。
怖くて仕方ない。
「服、脱ごっか。」
「…はい。」
「脱いだらこっちにおいで。鏡の前に立つんだよ。」
「…はい。」
穴の空いたTシャツを脱いで足元にたたむ。
先生が座る目の前にたって、その前の鏡を向いて目を閉じる。
もう自分の体なんて見たくない。
「憂君は何をしたのかな。」
「…器、落として。味噌汁を零して…箸も、落としました。」
「ちゃんと鏡を見て言うんだよ。」
「器を、落とし…て、みこ汁を零して、箸も…落とし、ました。」
「それから?」
「…逃げよう、としました。」
「どうして?」
「ごめんなさ、い…っ…」
「謝って欲しいんじゃないんだ。どうしてか、知りたいんだよ。」
先生が怖くて、お仕置きが怖くて。
お仕置きされたくなくて。
だから逃げました。
なんて言ったら もっと怖い事をされる。
逃げたって逃げ切れるわけないのに。
外にも出られないのに。
「憂君。ほら、早く言って。」
「ぅ……っ、…ごめんなさ、い…っ…」
「…泣くな。言え、命令だよ。それとももっとお仕置きされたい?」
「ひ、っ…ぅ…」
涙を拭おうとした手を思い切り叩かれる。
そのまま先生にその手を握られて後ろで紐で結ばれる。
言っても 言わなくても怖いなら今はもう怒られたくない。
「怖くて、お仕置きが…嫌で、逃げました。」
「そっか。でもお仕置きは憂君が悪いことをしたからだよね?」
「…そう、です。」
「それなのに逃げたらダメだよね?」
「はい、っ…」
「誰が悪いの?先生が悪いの?」
「僕、です」
「…逃げられないように弟みたいに足動かなくしてやろうか?」
背筋が寒くなる。
先生の手が僕の足首から太ももまでをゆっくりと撫でていく。
ゾワゾワ寒気がして、怖くて、気持ち悪くて。
足 無くなったら どうしよう。
「冗談だよ。でも、憂くんがもう逃げないように…忘れないように。今日は少しだけキツめのお仕置きにしよっか。」
「は、い…っ」
「偉いね。そしたら…とりあえず低くなろうか。」
先生に背中を蹴られる。
両手が後ろだからても付けないまま前を倒れ込む。
痛いよ、全部痛いよ。
「…顔、ぶつけてない?」
「大丈夫、です…」
「よかった。君は顔だけは綺麗なんだから傷つけちゃダメだよ。」
「ぇ……?」
「憂君はね。存在も中身も全部いらないけど…顔だけは皆よりずっと綺麗なんだ。だから大切にするんだよ?」
「…はい、……」
「顔がなきゃ、本当に価値なんてないんだから。」
生まれて初めて 褒められた。
顔が綺麗の意味もよく分からないけど。
これのお陰で生きてられるなら。
綺麗で生まれられてよかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
113 / 208