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~序章~
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学校へ行って、友達としゃべって遊んで、帰る。
毎日変わらない生活。
それがこれから先も、ずっと続いていくのだと思っていた。
小さな変化に一喜一憂し、
年を重ねていくのが当たり前だと思っていた。
「何見てるの? カヤ」
「アキちゃん…」
渋谷駅前、多くの人たちが待ち合い場所に使っている場所。
その片隅に、花野夏耶(けのかや)は上を見上げたまま、固まったように動かずにいた。
声をかけられてゆるりと振り返る。
そこに立っていたのは高尚亜煌(たかしょうあきら)だった。
アキラとは小学校からの幼馴染みな上に、腐れ縁というのか、通う高校まで一緒だ。
「何気にしてるの?」
「あれ…」
すっと指差した方向を見る。
ビルの屋上に設置された特大看板だった。
3人のシルエットと、スパーリングシャワーというロゴが入っていた。ドリンクメーカーの広告だった。
「何、気になる?」
「ちょっと…」
カヤの視線は、その看板からいっこうに外されることはなかった。
「不思議な広告だよね。普通はアイドルのアップだったり、売れっ子の女優とかが笑ってるのが多いけど、顔もわからないシルエットものって珍しいよね」
「うん…でも気になるの」
そう。なぜか気になるのだ。
だだ、3人が立っているだけのポスター。
顔もわからない、真っ黒のシルエット姿。
それがなぜか気になって仕方がない。
(あの3人は誰なんだろう)
その広告は、それから1週間そこにあった。
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