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出会い2
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出会いは約1年前。
涼の写真展でのことだ。
友人のサリに連れられて、マサキは京司涼の写真展に来ていた。
そう大きくはないが、個人のものだとしたら大したものである。
写真展なんて、興味なければさぞかし退屈だろうと思っていた。
事実、京司涼は風景写真家なのだという。
1人では絶対に来ないだろうここへやって来たのは、ただ単にサリに甘いからだ。
彼女に頼まれたら、否と言えない自分を自覚していた。
サリは恋人ではなく、あくまでも友人。
気取りのないサバサバとした性格が、まるで男同士のようで、マサキ自身、性別を気にすることなくつき合える友人なのだ。
「マサキは、風景より人に興味ある?」
「なんだよ、いきなり」
「ん~、いやねぇ…以前チラッと見かけたんだけど……。スッゴい美人がいたんだよね」
何の話?
つい聞き返したくなるような、サリの勿体ぶった言い方だった。
(美人ねぇ……)
芸能界という場所で働いているせいか、なまじな美人は見慣れている。
そのときはさして興味も持たず、サリについて展示場内へ入った。
入り口を入ってすぐに受付ブースがある。
男の人が1人座っている。
得てして、写真展とはこういう感じであるという、なんの変哲もない写真展なのだが、なぜかその受付前だけ異様な熱気に包まれていた。
「京司先生でもいるのかな」
弾んだ足取りで、サリもその人だかりに近づいていく。
(おいおい、マジかよ)
マサキは、少しだけうんざりな心境で後をついて行った。
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