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1◎卵と油
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カズマが作ったサラダには、マヨネーズがいつも大量にかかっている。
フォークで奥までさぐってみなければ、なんのサラダか分からないぐらいに。
「いつも言ってるだろ。かけすぎだ」
「たっぷりの方が美味しいじゃないですか」
今日の野菜はレタスとトマトとコーンという色鮮やかなものなのに、それがすべて白で塗りつぶされているのである。
梅雨が明けてからというもの毎日毎日暑く、口の中ぐらいはサッパリしておきたい。
それなのに、最初の一口で油まみれなのだからたまらない。
腹が減りまくってからの夕飯だというのに、たまらなくゲンナリ。嫌気がさしてきて、ハシを置いてしまった。
「あれ? もういいんですか?」
「……ああ。後にする」
食べかけのものにすべてラップをかけ、冷蔵庫に突っ込んだ。背後からは「そんなにマズイかなぁ」とボヤく声。
うまいとか、マズイとかじゃない。
すべての料理がマヨネーズ味に変わってしまうのが問題なのだ。
マヨネーズ。
あいつが存在しているとどんなに凝った味付けも、一瞬にして酸味ががったまろやかさにしてしまう。
カズマはそれが良いらしいが、俺としてはそれが気食わない。
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