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「せっ、先輩のスマッシュ……、い、いつも、ビシッて、キマったとき、……あはァ、きっ、きもひよさそうでッ……」
つまり、壁打ちの感じで自分に球を打ち込んでくれという意味だと気づくのに、数分かかった。
「頭おかしいのか?」
「はひっ! おかひいですッ! もっと罵ってくだひゃいッ!」
罵ったつもりはないのに、キラキラと目を輝かせるものだから呆れた。
さすがに人に向けて打つことはできない。
困った末にラケットを持たせてラリーをしてみた。
毎日毎日してみた。
なかなか筋が良かったので、どうせならとそのまま卓球部に引きずりこんだ。
すると彼はみるみるうちに上達し、あろうことか、たった数ヶ月で高校総体にまで突き進んだのである。
「優勝したら、ゆーさんにとっておきのプレゼントがありますっ!」
決勝戦の直前、彼は鼻息荒くそんなことを言い出した。
ここまで急成長しただけでも十分だろうと思いながらも、「楽しみにしてる」と背中を押した。
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