アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9頁
-
結果は敗退。
準優勝に終わった。
「――ゆーさぁああああん! ごめんなさぁああああい!」
しかし、負けたことより、俺の期待に応えられなかったことを悔しがった。
「カズマ。そんなに泣くな。元気出せよ」
俺は何の気なしに彼の肩を抱く。
やわらかくて丸い背中は汗でぐっしょり。相当がんばった証だ。
なのに目のまわりを真っ赤にし、弾むようにヒグヒグと嗚咽をもらし、涙と鼻水をだらだら流し続ける姿はとても見ていられなかった。
「出ませんっ、ムリです! もう絶対絶対絶対、一生元気なんて出ません」
「どうしてだよ。あんなにがんばったじゃないか」
「優勝じゃなきゃ意味無いんです! ぼく、ずっと……優勝したら、優勝したらって……決めてたのにっ……!」
「優勝したら何なんだ? 言ってみろよ」
「ううっ」
カズマは涙でぐしゃぐしゃの顔を上げるなり、身体をぶつける勢いで抱きついてきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 96