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すべり台のちいさな階段をのぼり、背中合わせになるように座る。
ザラついた鉄板はちくちくと痛い上に、まだ昼間の熱がこもっている。背中から感じるカズマの体温も熱いぐらいだ。
海のほうから吹いてくる風だけが、俺の脳を冷ましてくれる。
「……ゆーさん」
どれぐらい経った頃だろう。
後ろからカズマの腕が伸びてきて俺の頭を抱え込んだ。ぎゅっと抱きすくめてくる。
「ごめんなさい」
その肌はしっとりと濡れて、冷たかった。あふれる涙を何度も何度もぬぐっていたのだろう。
「……ほっぺ、叩いてごめんなさい」
「大丈夫だ。これぐらい」
「ぼくっ、……ホントに、勝手で、わがままばっかりで、ごめんなさい……」
「気にしてねぇって」
「……おねがいだからっ、捨てないでっ……嫌いにならないでっ……」
「バカ。嫌いになんかなるわけねぇだろ」
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