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企み
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【千秋】
「こいつっ!おい、ふざけんなっ!」
普段穏やかな冬弥が、般若のような顔で怒りをあらわにする相手…
「うん、俺が楽屋で襲われた…こいつだわ」
俺たちの話に、びっくりした顔をしている陽人と夏生
楽屋での話はしていなかったので、2人には伝わらない
冬弥がかなり怒っているので説明をする
「はあ!?千秋……そんな目に遭ってたのかよ!なんなんだよこいつっ……おい、冬弥、お前もちろん殴ったんだろうな!俺ならフルボッコにしてやる!」
陽人が怒っている
なんのかんの、みんなお互いを心配していた
「ちゃんと釘刺しといたわ。でもあいつら……結局は仕組まれてたってことか!くそっ」
結婚も恐らく、俺らを解散させたあとに白紙に戻す算段だったのだろう
カラクリなんてこんなものだ
俺たちの心は決まった!
「よし、今からあいつらの所へ行こうぜ!」
間違いない
夏生のファンと言うのも、俺のことが好きだということも全て仕組まれたことだろう
「そこまでして俺らを解散させたかったのかよ……まぢでクソだな!」
「絶対に負けねぇぞ!」
「俺たちの実力舐めんなよ!」
自慢じゃないけど、俺たちの絆は固い
もちろん恋人同士という事もあるけれど、その前にこの実況という仕事に誇りを持っていた
………
「失礼します!」
いつも溜め録りをしているスタジオへとやって来た4人
そこには例の企画の女と……いたいたこいつ!
殴りそうになる冬弥を制止し、俺たちのことをびっくりした顔で見つめるこいつらに、一番口の悪い俺が伝える
「あんたらの汚いやり方には反吐が出るけど、このおかげで俺たちの結束は更に深まったわ!悪いけど、俺らを解散させるって企みなんかとっくにバレてんだわ!なんならこのこと世間に公表するけどいいのかなぁ?」
怒りを通り越し、呆れたように話す俺
隣では、更に怖い顔で睨みつける冬弥の姿
陽人もまた、普段穏やかな分、怒ると迫力がある
「そう言うことなんで、結婚は無しでいいですよね?」
夏生の言葉に、女はただ青い顔をしている
そして男もまた、冬弥に睨まれて萎縮していた
企画会社の社長は……
「そ、そんな話を誰が信じる?君らの勝手な妄想だろ!くだらん!茶番だ茶番!ほら、さっさと帰りなさい!」
あくまで強気な社長さんに、ニッコリと笑顔になった冬弥
「そう言うだろうと思って…ほい、これなーんだ?」
ずっとお面に小型マイクを付けて、画像もちゃんと撮れるようにした鞄を見せた冬弥…
「な、なんだそれはっ!」
動揺する3人に、冬弥は再び笑顔で答える
「バッチリ撮れてるから、こいつを今から生放送するからw」
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