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ヤキモチ冬弥
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【冬弥】
「えっと、あれとこれと…こんなに必要なの?」
病院から貰った必要なものリスト
病院から借りれるのもあるけれど、思いの外たくさんあった
両手に抱え、やっとの思いで到着
病室を開けると……
看護師さんと抱き合う千秋の姿
「じゃあまた何かあったらコールしてくださいね」
笑顔で出ていく看護師………何してた?
俺の様子に気づいた千秋
嬉しそうな顔でこっちを見ている
そんな笑顔で俺の顔もほころぶ
だけど…
さっき……抱き合ってなかった?
「千秋、もう起きて大丈夫なの?熱は…うん、下がってる。点滴効いてるんだ」
なんとか平静を保つ
だけど…本当はもっと聞きたかった
ねぇ、今何をしてたの?
悶々としていた
素直に、千秋の調子を心配したいのに
「ん、ごめんな、気づかなくって俺…まさか肺炎だったなんて」
少しだけまだ赤い顔をしながら横になっている千秋
唇も、いつもより赤く色付いている
「千秋…まだしんどい?あの…さ、今の…」
体調を考えればわかることだった
でも、やっぱり不安で…俺はどうしても聞きたかった
「冬弥?俺、今さっきトイレ行きたくて付き添ってもらったんだけど…もしかしてその事?」
心配そうな千秋の顔
ダメだ…今はそんな顔させたら身体に障る
「いや、いいんだ何でもない。それより何か飲む?点滴あるけど、喉が乾くだろ?」
一応スポーツドリンクは飲んでもいいと言われている
あまり冷たくないものに限るが…
「うん、カラカラしてたから!ありがとう冬弥」
優しい笑顔で答えると、俺の渡したペットボトルがあっという間に空になった
これなら大丈夫だなと安心する
そしてそのまま千秋は寝てしまった
やっぱり可愛い寝顔で
その夜は、とりあえず個室なので泊まることにした
大袈裟だとは思ったけれど、千秋もそうしてほしいと言ったし…何より、俺が不安だったから
静かな病室
千秋の寝息だけが聞こえる
熱も下がり落ち着いてはいるものの、まだ体力は完全な状態でもなくて
珍しくほとんど寝ている
トイレは俺が付き添ったから問題はないが…
ときおり巡回に来る看護師にいちいちピリピリしてしまう俺も大概だけど
「あーあ、俺ってなんでこんなに自分に自信がないんだろな…」
……独り言だった
「俺も…だけど?冬弥」
「え、ごめん起こした?」
見れば、いつの間にかこっちを向いている千秋の顔
いつから見てたんだろう
俺、きっと情けない顔してたんだろうな…
なんて、弱気な自分…
「冬弥…違ってたらごめんね?もしかして…ヤキモチ…妬いたの?」
ドキッ……図星だった
だって千秋…抱き合ってただろ!
喉元まで出かかったのをなんとか抑え込む
「あ…えっと…」
これはもうそうです!と言っているようなものだった
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