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外面2
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お昼休み。
僕は言われた通り、体育館裏に向かった。
じめじめとして人気の無い場所。
女の子は男をここに平気で呼び出すけど、身の安全を考えたりはしないのだろうか。
危ないだろうに。
うちの学校の体育館裏は、隠れた有名スポット。
僕自身、何度か呼び出しを受けたことがある。
だから、これから先何が自分に起こるのか予想は容易についた。
自分はそれなりに女の子からモテると自覚している。
だけど、別にそれがどうって訳もない。
過去の経験から、誠意の無い付き合いは後々後悔すると知っているから。
僕が着くと、田中さんは既に来ていた。
「えっと…田中恵美さん?」
頷く彼女。
「ここ、ちょっと寒いね」
少しだけ、世間話をした。
ホントは単刀直入に切り出して欲しいけど。
「初めて見た時から、ずっと気になってて…」
田中さんの視線が左を向く。
目が合わない。
「好きなの!私と付き合って下さい」
でもそれは恋じゃないでしょ。
君は僕に恋してる目をしてない。
僕っていうブランドを手に入れたいっていう欲求からじゃないの。
「ごめん、好きな人いるんだ」
これは嘘。
好きな人なんて、いない。
でも、これが一番諦めて貰える言葉だと思っている。
それでも彼女は引かなかった。
「私、友達からでも…」
僕は相手を傷付けないように、言葉を選ぶ。
「僕も田中さんと友達になりたいな」
僕は笑みを繕った。
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