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僕の恋は叶わない。
いつからだろう、自分の恋愛対象が同性ということに気づいたのは。
いつからだろう、片想いがキラキラしたものじゃなくてドロドロしたものだって気づいたのは。
女になりたい訳じゃない、だけど好きな人に振り向いて貰えるなら男じゃなくて女に生まれたかった。
僕の恋は、叶わない。
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「佐々木、俺、彼女出来た…」
同僚の野口が頬を緩めながら一言。
あぁ、まただ。また恋が散った。
叶わない恋なんて初めからしなければいいんだけど。
頭ではわかっているんだけど。
「そっか、よかったじゃん。前から可愛いって言ってた人?」
おめでたい事のはずなのに、僕は一切喜べない。笑えない、笑えないよ。
でも、幸せそうに話す野口にそんな表情読み取られちゃ困るから、必死に隠すんだ。
小さい頃からいつだって隠してきた、僕の本当のキモチ。
もう慣れっこだ。僕の気持ちに気づいてくれるやつなんて今まで一人もいなかった。だから、この恋とはさよなら。また僕は叶わない新しい恋を探すのだ。
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