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その7
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「…そん、な、六弥お前」
「ゲイ、なのか?」
…………。
ふたりの動揺っぷりが手に取るように分かった。
そりゃそうだよね。
親友だったやつが男が好きだったなんて、さ
ハハッ……
全く笑えないや
気づけば俺は涙も止まり、不思議な程に冷静になってた。
「そうだよ。でもちょっと違うかな。
一応女の子も好きになれるから、
ゲイよりのバイ、だよ。
……ねぇ、驚いた?気持ち悪いでしょ。
馬鹿らしいでしょ。
親友だったやつがゲイでさ。
………ずっと言いたくても言えなかった。
宝物の、大切で大事な親友を失うことに
なったら、どうしよう。
お前なんか親友じゃないって言われたら
どうしよう。
怖かったんだ。2人が俺から離れていって
しまうことが、嫌われることが。
だから、モットーを守れてなくて、
自分だけふたりを騙してことが辛くて苦しくて、
でもい言うことが出来なくて、もう
どうすればいいのか…っ分からないかった!
そんな中、俺、俺たちのモットー、
なんか無ければ、作らなければよかった、
って、思っちゃった。
たかがお馴染みで親友なのに、
何でわかるんだよ、って思っちゃった。
…ハッ、笑っちゃうよね。
これ、全部俺から始めたのに、
それを俺が否定、しちゃうんなんて。
だから俺は最低なんだ、大馬鹿なんだ。
だから……だ、から…お、れは、俺は!
ふたりの親友の資格なんてないんだ!!
こんな最低な自分なんかに、二人の親友を
名乗ることなんて、出来ないっ!
俺は二人のそばにいていい人間じゃないんだよ!!」
かえって不思議な程に冷静になってたのに、
最後らへん、荒ぶっちゃったな。
……本当に辛かった、苦しかった。
ふたりに申し訳なかった。
辛さとか苦しさとか罪悪感とか色々な気持ちで
胸が一杯になってた。
それで心乱れて、ぐちゃぐちゃになって……。
あぁ、これでもう、俺、終わりだ。
終わっ、た…。
「………むつ、や」
「……六弥はずっと…っ」
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