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その4
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バサッ!!
「!!??ハァ、ハァ、ハァ──……ゆ、め?」
息苦しさに目を開ければ、今度は俺の部屋のベッドにいた。
さっきの、夢、だったんだ。
…凄く、嫌な夢、だったな。
最後の最後、一体何を俺に、言ってたんだろ。
………………
(本当に、それでいいの?)
(良く、考えてみなよ)
ッ!?
「…っ…そんなの、そんな事言われたって、
わかんない、よ……。」
……そう言えば、なんで俺、自分の部屋で寝てたんだ?
確か、学校にいたはずじゃ
ガチャ
「むつ……起きてたんだな」
「…お父、さん」
部屋に入ってきたのはお父さんだった。
何を言われるんだろうか。
何を、聞かれるん、だろうか。
ただ、いつもと変わらない表情を浮かべるお父さんが
何を考えてるのか全くわからなかった。
だからこそ何を言われるかわからなくて、怖かった。
そして、お父さんは俺のベットまで来て座って、
こう、言ってきた。
「六弥、体調はもう、大丈夫なのか?」
「…え?」
俺の考えてたのとは全く違って、俺の体調を聞いてきた。
そのことに、思ってたのと全く違ってつい、驚いてしまった。
「六弥、お前は今日、授業中に倒れたんだよ。」
「あ…そう言えば俺、倒れたんだった。
で、も、なんで俺、学校の保健室じゃなくて、
俺の部屋のベッドにいるの?」
「あぁ、それはな、六弥の担任の先生がわざわざ倒れた
お前を家まで送ってくれたんだ。
そしてお前をお父さんが部屋まで運んだんだ。」
「そっ、か……俺、お父さんと特に先生に、
迷惑、かけちゃったね。」
そうだったんだ。
俺、何やってんだろ
迷惑かけちゃ、ダメじゃん
「六弥、迷惑かけてもいいんだ。
それにな、お父さんと先生は迷惑だなんて思ってない。」
「!でも」
「でもじゃない。
お父さんたちは、お前が大事だから。
だから何かあれば心配するし真剣に考える。
そしてそれを迷惑、だなんて思ってない。思えない。
いいんだよ。」
そう、俺の両肩を掴みながら真剣にいうお父さんだった。
「おと、うさん」
「六弥」
ギュ
「!」
お父さんに、包み込むように抱きしめられた。
お父さんに抱きしめられるのなんて、中学のあの時以来だ。
お父さんの胸が逞しく感じた。
落ち着く、な…
「六弥、お父さんはお前がここの所ずっと
元気がない原因が何かなんて聞かない。
お父さんは、お前が言ってくれるその時まで待つ。
無理やり聞いても、そんなのは救いにもなんにも
ならないからな。
六弥の、お前のタイミングで、な。」
「っ…ぅん、うん。
ご、めんなさい、おと、さん。
けど、ありが、と…ぅ」
お父さんに、優しく安心させるような声で
そう言われて、涙が出た。
お父さんのその優しさが、暖かさが、心に染みたんだ。
勇晋と総の時は、辛かったのに、何、で。
分かんない。
でも、どうしようもなく、お父さんのぬくもりが、
落ち着くんだ。
「けど、お父さんな、もう、あの時みたいに六弥が
壊れるのはごめん、だからな。
もう、見たくないっ…っ。
……だから、壊れる前に、絶対…絶対に、言うんだぞ。」
あの時のは、お母さんにとっても、お父さんにとっても、
トラウマと言っていいほどのショッキングな出来事だった。
だからか、そう言いながら声が、身体が微かに震えてた。
それを感じ取って、絶対に同じ過ちを
犯しちゃいけないって思った。
どんな事があっても壊れないように心を強くして。
「!おとう、さ……う、ん。
その時、までに、は、いう…ちゃんと、いう、から…っ。」
「!あぁ」
"俺らしく"いれば、俺は、きっと壊れない、かな?
ほんとうの俺、なんてほおっておいて
おれらしく、いれば……────────。
…ッ、タスケ、テ
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