アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
雪の中で。
-
「ぶぇっくし!!」
しまった……くしゃみが止まらん。
俺は今、丁度今日最後のバイトが終わり、繁華街を歩いている。
今日最後のバイトはガソリンスタンドのバイトで、雪の中、休むことなくせかせかと動き回っていたのだ。
そのせいなのか、くしゃみも止まらないし頭の奥もズキズキして辛い。
祐希達はもう施設へ帰ってるから夕飯の心配はないけど、俺の飯はどうしよ……。あんまり作れる状態じゃない。
そう思いながら帰り道の細い、人気の少ない路地に入って行く。
────────────────────────
「ッはぁ……はぁ……。」
しばらく歩いた。
頭はもう痛くないけど、その代わり凄くぼーっとして、体もうまく動かない、
これは……本当にヤバいかも。
現在地からアパートまでは20分近くかかるし、人気の少ないこの路地なんて、診察してくれる様な病院もないし、休める喫茶店なんかもない。
「あぁ…俺、も…むり…………。」
電柱にもたれ、ズリズリと背中を引きずって座り込む。もう、動く気力もない。
俺、このままここで凍えちゃうのかな。
働かない頭で考える。
(いやだ………、誰か…助け、て……______)
『ねえ君!大丈夫!?』
男の人の声が聞こえる。
『こんな所で座り込んで……。何かあったの?夜は寒いから早く立って……』
話しかけてくるけど……良くわからない。
ふと、頬が暖かいもので包まれた。
『凄い熱だ…。家はここから近いかい?』
暖かい……これは、手?
頬に手をやりながら見上げれば、整った顔が目に入る。
『……とりあえず、家に来なよ。元気になったら、君の事聞かせてね。』
そう言って彼は俺の頬を撫でる。
その手は暖かくて、優しいのに
あなたの顔が悲しそうに見えるのは、どうして___?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 22