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いきなりのことで驚き、少しの間動けなかった。
「えっと…………輝?」
名前を呼ぶとグリグリと頭を擦りつけてくる。
(いきなりどうしたんだ……可愛い……)
「どうした?お腹でも痛い?」
「圭吾さん…ありがとうございます……。」
俺の胸から少し離れて目を合わせた輝、身長差があるから上目遣いになっているからかとても愛しく思えた。
「俺がこの家に住まわせてもらってるのは一時的だけど…ただいまって言っていいなんて、なんだか家族みたいで嬉しいんです……。」
家族……?そうか。これは輝にとって家族のように写っているんだ。
そう思うと、胸がチクリと痛んだ。
「そう、だね……。3ヶ月間だけど、家族のように思って貰っていいよ、輝。」
そう言って抱きしめると、背中に手を回して強く抱き返してくる。
また胸が痛んだ
輝が話す。
「俺、物心着いた時から孤児院育ちだったんです。たぶん親に捨てられて。…そこの施設の大人はずっと優しくて、俺に悲しい思いなんてさせたことなくて、凄くいい人達だった。」
一層強く抱きしめられる。
「でも、心のどこかで寂しかったんです。家族が居ないこと、自分だけの父と母が居ないことが。
…ごめんなさい。こんな事、人に話すもんじゃないですよね。」
俺から離れながら、ぎこちない作り笑顔を浮かべている目の前の青年に、また胸が痛む。
ドクンドクンと痛いほどに脈打つ胸が、この痛みの理由を教えようとしている
俺の事を家族のようだと抱きしめた青年に
この胸は今
青年を、俺だけの物にしたいと、叫んでいる。
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