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出会い
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『おい、んな邪魔な所で寝てんじゃねぇよ。おーい……生きてっか〜?』
……ん〜なに? 眩しいんだけど…
瞼に光が差し込み、たまらず目を開けた。視界の先には広い海に輝く太陽、そして僕のことをゴミのように見下ろす男が立っていた。
僕は自分がどういう状況なのか分からず、頭をかいていたら、その男に猫のように襟を掴まれ、どこかのアパートへ連れて行かれた。
「なっ、いたっ、痛いよバカ!!せめて抱えろ!!!」
『………』
何とか言えよな!!!ムシかよこの野郎!!しね!!!
てゆか、なんで僕……あんなきったない路地裏で寝てたんだ?
「???」
椅子に降ろされ、ホットココアを渡される。
『何も憶えてねぇって面ぁしてるな』
その男は可笑しそうに笑う。
「そーだよ。ココどこさ!あんた誰?」
ふんっと強気に切り出す。相手が大きくて怖そうとか、威圧感がすごいとか色々あるけど、気圧されたら終わる。
……まさか誘拐とかじゃないよな?
『はは、何も憶えてねぇアホ野郎、てめぇの身体に聞いてみな』
「はぁ?からだぁ?んだよ……ッうわ!?」
見てみたら、痣や切り傷が酷かった。傷を意識した途端、急に痛みが広がり顔が歪んでしまう。
『それね、俺が酒屋を出た時にはぁお前、複数人に囲まれてヤラレテタんだよ。それを助けたのが俺ね、俺。OK?』
「囲まれ……ヤラレ?……店の前で」
ん、何か思い出しそうだぞ……
『ボロボロのお前を抱えてさっきの路地裏にたどり着いたんだよ。降ろした瞬間寝るから、俺は一旦帰って寝た』
「えっえええ!!?そこは僕も家まで連れてってよ!!!野宿じゃん!!虫とかいたかもぉ最悪」
そう言うと、男は眉間に皺を寄せ睨みつけた。
「あっと、ありがとうござちました…」
噛んだ……
男は溜息を吐きながらも、奥から包帯と消毒液を持ってきてくれた。案外面倒見がいいらしい。
「なぁ、どーして見ず知らずの僕を助けたの?良い人デスカ?それとも何か見返り?」
サングラスで素顔がわからない。もしかしたら裏があって何か利用されたり……
『顔が可愛かったから。それだけ』
「………」
むにっと自分の頬を摘んでみる。傷ついてて今は痛々しいな。
『良かったなぁ。親に感謝だな』
「…うへぇ、嫌な言い方。サングラスなんかしちゃって!怪しい怪しい!!取ってよ!!」
グイグイっと手を顔に伸ばそうとするも、顔を後ろに押されて届かない……
『治療の邪魔だコラ。大人しくしてろガキ』
「口悪いんだから。僕はB、あんたの名前教えてよ!」
恨めしく見つめると、面白そうに笑いながらサングラスを胸ポケットへ収めた。
『Aだ。行く宛無ぇなら泊まってけ』
「A…は、案外目が細いんだね」
少し見惚れてしまった。綺麗にセットされた黒髪に男らしい顔つき。少し目つきが悪いのが痛手だけどモテるのだろう。
絶対堅気じゃないよぉ……うへぇ…
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