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朝食
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朝8時に街全体に鐘が鳴り響く。それと同時に聞こえてくるザワザワと人の行き交う音。僕はその煩さに目が覚めてしまった。
ぼんやりと天井を眺めてると、頭の下にゴツゴツとしたものを感じた。それにすぐ隣から寝息も……って
「なんでAがここに…ッ!!」
僕はビックリしてベッドから転げ落ちてしまった。腕枕なんか初めて体験した……一晩中って痺れたりしないの?
『朝っぱらから騒がしいぞ……起きたんなら窓を開けろ』
言われた通り窓を開ける。涼しいけど、まだ肌寒いかな。
「なんで一緒に寝てんのさ〜。余計なたんこぶ出来たわ」
『てめぇのベッドで寝て何が悪い?それともお前を床に転がせとけば良かったのか?寝癖野郎』
「……イイエー、暖かかったデス」
目線を落とし口を尖らせる。一緒に寝るならそう言ってくれたらいいものを。余計なこのドキドキを返せ!!あと頭痛いクソぉ!!!
『おい、ありがとうござちました は?』
「……〜〜ッもお!!!ありがとお!!!」
『くっくっくっ…』
ドタドタと急いで部屋を出る。後ろで笑い声が聞こえてくるが耳を塞いだ。
あの腐れゲス野郎!!人をバカにしてーーっ!!!
バシャバシャと顔を洗い、勝手に冷蔵庫を漁る。
ここに泊まってる間は自分家同様に扱ってやる!!!
「うう〜、腹減ってしにそう……んで何も入ってねぇんだよぉお〜」
小さな冷蔵庫の前でパタッと倒れる。昨日の夜から何も食べてない。年頃な僕には耐えがたい状況だ。
腹の虫をぐるぐると鳴らしていると、Aがバサっと服を投げてきた。よく見ると、昨夜の自分の服だった。泥だらけだったはずなのに、ちゃんと綺麗になってる。
「なぁにさ……」
『それに着替えたら家を出る。腹が減ってんだろ?』
「行くっ、食べる!!」
急いで着替える。後ろで口と手も洗ってこいと言われ、洗面台へと飛び込んだ。
そして3分後にAのもとへ駆け寄ると、ポスッと帽子をのせられた。
『…これで寝癖も目立たねぇで済むか。おい、何が食いたい?』
「えー、あっ、パンが食べたい!!ここはパンが美味しいって聞いた」
港に近い小さな街クルーズ。いつもお洒落な人で賑わっていて、裕福な街だ。
だけど僕は、この街に来て6年くらい経つけど、焼きたてのパンの味をまだ知らないんだ。
キラキラと期待の眼差しで見つめていたら、そんな物でいいのかと、近くの小さなパン屋さんに案内された。
そこは出来立てで香りがほわほわとしてて、入った瞬間にお腹が鳴った。
「うわぁ〜、A、A!!どれ食べていいの?」
『好きなもん選べばいい。財布やるから適当に買ってこい』
ポイっと僕に財布を投げて、Aは端のテーブル席に座りパソコンを開いた。
好きなの……選んでいいのか
トレーとトングを手に取り、気になったパンを次々取っていった。それをレジへと持っていき、Aの元へと駆け寄った。
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