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自分のものだとおもっていた①~腐二次創作弱虫ペダル荒北
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最初にそいつを見たとき、あまりの緑にぶったまげた。
よく見るとのっぺり緑じゃなくて、赤とか青とか混
じってる。
いかしてる。
これ第一印象ネ。
細過ぎる長身も嫌いじゃナイ。
手足なっが。
筋肉はクライマー。
どんな走りをするんだ。
あとで福チャンに聞いてみよ。
行きかけたら、部員になんか言われてて、あきらめたみてーに回れ右。
箱学を後にする。
失意のニオイ。
自転車はタイム。
ダメだろ。
タイムなんか乗りこなす奴追い返しちゃ。
俺はビアンキに飛び乗って、緑色の髪を追った。
追ったけど。
すげえ走り。
左右に身を振る。
自転車がしなる。
そしてその都度、自転車は、ぐいっ、ぐいっと前に進むのだ。
何てふしぎな走り。
見とれた。
見とれてすぐ、追った。
緑色の髪を。
平坦になるまで追いつけなかったけど、やっとつかまえた。
失意のニオイは消えてない。
なにがあった。
なんでもないッショ。
一緒に走れると思ったやつが、約束の日にいなかっただけッショ。
失意のニオイが落胆に変わった。
思い出した。
まきちゃん。
まきしまゆうすけだっけ?
東堂が、いつも言ってる…ライバルだか恋人だか…
くそ。
いらんことも思い出した。
今日、あいつはお取り巻きと、ボウリングだか行ってるんだ…
俺と走っか?
なに口走ってんだ俺。
そいつは薄く笑った。
楽しくないッショ。
俺平地ではどんだけってくらい遅いし、山ではあんたおいつけないッショ。
やめとくッショ。
やってみにゃわからんだろコノ!
なんだかカーッときてた。
なすすべなかった。
平地ではじれるほどの遅さ。
山では背中も見れなかった。
一緒に走ってるとはお世辞にも言えなかった。
けど、そいつの顔は輝きを取り戻し、失意のニオイはかなり薄まった。
元気でたッショ。
俺は巻島裕介。
あんた名前は?
名前は…
風小僧だ!
言って逃げるように帰ってきてしまった。
寮前でばったり東堂に遭遇した。
両手スズナリに女侍らしてる。
おう、やすともではないか。
軽々しく言うからムカッとした。
まきしまっての来てたぞ。
約束あったんじゃないのか。
東堂の目は通常ガラス玉だ。
その目に輝きが一瞬宿り、次の瞬間再び凍った。
いいのだ。
何で!?
聞かなかったけど、俺なんだかひどく頭きた。
それが始まりだった。
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