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話
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祐兄がリビングを出て行って少しすると圭兄もどこかに行ってしまった
関心を持たれないことの恐怖が襲う
「咲」
俊兄の呼びかけに顔を上げた
「どうして逃げ出した?どこに行ってたんだ?バスでも乗ろうと思ったのか?」
きっと心配して聞いてくれているんだろうけど答えるのが怖い
「俺にも話せない?」
小さく頷いた
「そうだよなぁ、咲嫌がってんのに無理矢理やったもんな…」
苦笑いを浮かべている俊兄を見て本当のことを伝えたいと思った
「ごめんなぁ、こんなお兄ちゃんたちで」
ゆっくりと立ち上がってリビングを出て行こうとする
「待って、話したい…」
今一人になるのは怖かった
「じゃ、兄貴と圭にも話せるか?」
「うん…」
「行くぞ」
俊兄は僕を立たして歩かせてくれた
祐兄の部屋の前に来ると中から圭兄の声もしてきた
「部屋入るから四つん這いなっとけ」
小声で俊兄に言われて急いでしゃがむ
「兄貴、入るぞ」
たった数時間のはずなのに懐かしいこの部屋
「何?咲まで連れて、お散歩でもしてるの」
とても冷たい声
本当に僕なんてどうでもいいんだ
「咲が話したいことがあるらしいだけど聞いてやらないか?」
「何を話すの?咲はいぬだから話しなんてできないでしょう」
鼻で笑われてしまった
「祐兄‼︎もういーじゃん、話ぐらい聞いてあげようよ」
いつもだったら絶対に祐兄の言うことを聞くのに
「はぁ、じゃどうぞ」
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