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暗闇の底へ △
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俺の身体がふわりと宙に浮いた。
「凛っっ‼︎!」
銀ちゃんが、崖から身を乗り出そうとしたけど、鉄さんに強く押さえつけられて、銀ちゃんの伸ばした手が宙をかいた。
落ちて行く俺の目に、暗く青い夜空に光る銀ちゃんの翼が見える。
ーーあ……空の色、銀ちゃんの着物と同じ…。なんて言ったっけ…、そうだ、青鈍色だ。青鈍色の中に、銀色がきらきら光ってる…。ふふ、やっぱり銀ちゃんの翼が一番綺麗だな…。
ふと、右手に何かを掴んでるのに気付いて、目の前に持ってくる。それは俺の手の中できらりと光っていて…。
ーー銀色の、羽根…。ああ…これを持ってたら怖くないや。出来れば、最後はあまり痛くなければいいな…。
「ぐっ!はあっ…、っ」
そう思った矢先に、身体に強い衝撃と痛みが走る。どうやら崖壁から飛び出てる岩か木に当たったようだ…。
ーーつぅ…っ、なんだよ…やっぱり痛いじゃん…。銀ちゃん、ちょっと怖いかも…。
次に来る衝撃に備えて、俺は固く目を閉じ、銀色の羽根をぎゅっと握りしめる。
また何かに当たった衝撃で、谷底に身体を打ち付けられる前に、俺の意識が途絶えた。
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