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おかえり
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ガチャ
昇兄が帰ってきた。俺の心にはまた、昇兄と言う光が、絶対的存在が。自然と足は玄関に向いていた
「ただいま!竜」
「おかえり、昇兄」
昇兄は、少し考えたように顔を伏せてほんの、数10秒位たってから顔を上げた。
「竜、抱っこしてあげるからこっちにおいで?」
「何で?」
「いいからおいで?」
俺、何かしたのかな?昇兄には、嫌われたくないし
行かない理由もないから、不安になりながらも昇兄の元へ向かった。
ひょい、と簡単に抱っこされ寝室に入ってベットに腰掛けた。て言っても俺、抱っこされたまんまなんだけどね、そうして、昇兄に抱っこされ落ち着いていた俺だったが、昇兄の次の言葉を聞くと瞬く間に顔が真っ赤になった。やっぱり俺の事何でもお見通し何だな、と思った。
「竜、どうした?元気ないけど?」
「何でもない」
俺は、恥ずかしくなって顔を昇兄の胸へ押し付けた。
「何でも無いわけないじゃん。泣いた跡あるし、兄ち
ゃんが気付かない訳が無いだろ?無理にとは言わな
い。ただ、俺の前で位泣いてよ?無理して我慢しな
くたっていいんだよ。兄ちゃんとしては、少し位甘
えてほしいな……」
「昇兄のばか。」
「えっ!竜酷いよ!」
「でも……ありがとう。俺は話せないことが多いけど
昇兄には、何時も感謝してるよ。」
「俺も役に立てて、よかった。竜疲れたでしょ?
晩御飯は遅くて良いからちょっと寝よっか?
俺は買った物冷蔵庫に入れて、服着替えるからちょ
っと待っててな!」
昇兄を待ってる間ずっと幸せな気持ちだった。
昇兄は、俺の事を直ぐ気付いてくれて、抱き締めてくれる一瞬でも過去の事を忘れさせてくれる。
それが当たり前の事になっていて、だけどそれはとても大事な事で、誰にでも出来ることではなかった
それを気付くのは、何時になるのだろう。
そんな事を考えている内に昇兄が帰ってきた。
服を寝間着に着替えて俺と一緒に布団に入った
「竜、おいで?抱き締めて寝よう?」
「ん、昇兄おやすみ」
「おやすみ。」
昇兄に抱き付き暖かさを、身体中に感じながら俺は意識を手放した。この時の俺は気付かなかった。
涙を流していることを、そんな俺を見ている昇兄の顔を……… END
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