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俺のため
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昇兄と手を繋いで歩く通学路は暖かくも冷たい。
人が通る度にあいつらが居ないか。何かしてこないか、恐怖と戦っている。
「昇、竜おはよう」
「昇おっはよ~!竜!久しぶり。会いたかったよ」
暫くすると、誰かが話し掛けてきた。
そのうちの一人は俺に抱き付いて来て物凄く怖かった。
「初雪も咲月もおはよう。それより咲月、そろそろ竜の事離してくれないかな?竜ちょっと怖がってるから。」
「あっ!ごめん、竜。大丈夫だよ俺だよ?分かる?咲月だよ」
「竜、大丈夫だよ?怖いならお兄ちゃんが抱き締めてあげる。」
「ん、して」
「よしよし、竜落ち着いたら相手の顔よく見てみて
竜が好きな咲月と初雪だよ~」
咲月?そっか、咲月と初雪も来るんだった。
昇兄の胸から顔をあげると、咲月と初雪の顔が見れた。顔を見たからか、安心した。
「咲月?咲月!初雪も!お、おは…よう」
「竜~覚えててくれたんだな~!竜、大丈夫なのか?体調も良いか?」
「大丈夫。」
「そろそろ学校行かないと遅刻するぞ!竜もそろそろ離れて手は繋いでていいから。ね?」
「ん、」
ー校門前ー
「りゅ、竜君!」
「竜が来たんだって」
「竜に会えるのか!」
「最近、3人揃ったばっかりなのに、竜まで来るなんて…」
「おはようございます!」
学校に着き、桜並木を歩いていると、急に大勢の人達に囲まれ挨拶をされてびっくりした。
その後に、人が大勢居ることの恐怖が来た。
昇兄は俺が震えてるのを見て、既に握っていた手をさらに、力を入れて握ってくれた。その手を握り返して昇兄の存在を確認する。
「竜、この人たちは多分何もしないから、安心して」
「う、うん」
「皆!今日は出迎えてくれてありがとう!でも今日は静かにしてね?お願い。俺の可愛い弟の為に」
「昇君格好いい~!」
「し~、じゃあまた後でね」
昇兄が俺のために、してくれたこと。
とても嬉しかった、昇兄が好きだとさらに感じた…
END
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