アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
入学式でフラグッ!
-
「おい、そこの書類も頼む」
どこからか聞こえた様な気がする声を無視して窓を開ける。と、桜の花弁が一枚舞い落ちてきた。ああ、春だ。
「おい聞いているのか」
現在4月、時刻は朝の7時、生徒会室。
「チッ……おい!」
右には苛ついている様子の会長、煩い。そのまま無視を決め込み、何も無かったかの様に自分専用の椅子に座る。
刹那、机にバンッと荒く書類の束が置かれたため、見上げる。
「荒い。物は大切にして下さい」
「てめえが!!無視してるからだろ!!」
声でか、うるさっ。
「無視?ああ、すみません聞こえませんでした」
「嘘つけ!!」
「あなたにつく嘘などない」
まあ嘘だけどな。会長いじり楽しい。
最初は渋々だったが今思うと生徒会入って良かったわ。腹黒副会長とか全くキャラではないが鬘を被り眼鏡をかければはい、完成。
王道な腹黒副会長の誕生だ。
俺が副会長に就任したのには理由がある。
俺、東雲倖成(しののめ ゆきなり)は腐男子だ。しかもかの王道設定が大好きな。
しかし、この学園には腹黒副会長がいなかったのだ。
俺様な会長、チャラ男な会計、双子の庶務、わんこな書記、それらは揃っているのに腹黒副会長は存在していなかったのだ。
腐男子な俺にとってこれは致命的だった。非王道も好きだが、この学園は王道だ。
王道な全寮制私立男子校、王道な生徒会、王道な親衛隊。
まだ王道転校生は来ていないがそろそろ来るだろう。これは俺、腐男子の勘だ。
こんなに王道が揃っているのに副会長だけ王道じゃないのはどうなんだろうか、いや駄目だろ、これじゃ駄目だ。
そう思い仕方なく、仕方なく!(強調)俺が副会長になったのだった。つまり素は敬語でも腹黒でもない。
人を欺いたり騙すのは得意ではない、が、萌えの為なら何でも出来る。気がする。そして現在に至る。
「お前……本当にいい性格してるよな」
「ありがとうございます。誉めて頂いてとても不快な気分です」
「誉めてねえよ、俺様にそんな事言うやつお前しかいねぇ、不快な気分です」
「自分の事俺様とか実際に真面目に言うやつお前しかいねぇ、僕が言った事を真似するとか語彙力ありませんね」
「うるせえッ!!」
いや煩いのは会長だろ。声でかすぎ。あと俺も会長の真似をしたのだがそこには突っ込んでくれないのか。
「一々苛つくんだよ、襲うぞ!!」
「どうぞ出来る物なら。僕の手を返り血で真っ赤に染め上げたいのならば別に構いませんよ」
ただしお前の血でな。中二乙。
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 119