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おかしな男との出会い
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今年の春、俺は有名な「丘志名大学」へと入学した。頭がバカみたいに良い奴しか入れないと聞くこの大学は殆ど男しかいない。それは俺にとって楽園そのものだ。
それもそのはず!俺は根っからの『腐男子』なのだった。
だがこの時の俺は、入学2日目にしてかなり疲れることになるとは思いもしてなかった……
「……うそだ」
校門を潜れば夢の大学生活のスタート!!なハズが先輩達の凄まじい勧誘が待っていた。
部活やサークルへの過激な勧誘に揉まれながらも、何とか学内へ入り俺は掲示板に貼られている校内の図を頼りに、学内の説明を受けに西ホールへ急いだ。
3時間かけて講義についてや、講師の紹介、校舎案内をされた。さすが有名どころ。校舎はだだっ広く、1つ1つのサークルの部屋の規模が凄まじかった。
解散後、知り合いもいないので1人で校内をのんびり見て歩いた。入りたいサークルを探しながら中央ホールを通る。
今日は4月にしては暖かい日で、芝生が一面に広がる中庭に足を踏み入れた。すると先客がいたようで豪勢な笑い声が耳に響いた。
「えっ!?な、なんだあの人……1人で笑ってる?」
不審に思うも気になってしまい、牛の像に隠れながら近づいていく。
その人は綺麗な黒髪にシミひとつない白衣を纏い、両手を天に向かって伸ばしていた。
「あの、何されてるんですか…?」
この時ほど声かけなきゃよかったと後悔した事はないだろう。その人はくるっと振り向いては俺をジッと見つめた。
そりゃあもう、穴が開くと思うくらい長い間。
そして口角を上げては自信満々に言い放った。
「ははは、来た!来たぞ!!今日という特別な日に私の元へ現れたGuided person!!褒めてやる下僕一号よ。今日から我がラボへの入会を認めてやるぞ!!ははは嬉しくて仕方がないだろう」
そう愉快に笑い、放心する俺を構いもしない。
「えっちょ、ラボ!?ってどういう事……っぎゃあ!!?」
「ふんっ、可愛げのない声をあげるな。大人しくしていないと放り投げるぞ下僕」
その男は、ガッと俺の足を払っては素早く抱き上げた。それはまるで獲物が逃げないように持ち帰る獣のようで、成すすべがなかった。
ていうか、これって……BLでお馴染みの姫抱っこ!?初体験!!!すっごく貴重な筈なのに別の意味でドキドキして台無し感じがすごい!!
ちらっと顔を見上げると、不敵な笑みを浮かべてはしきりに「ふふふ」と零していた。
俺と同じくらいの身長で運動してるようにも見えないのに、軽々人を持ち上げる姿に驚く。
だけど何故か1ミリも萌えないのであった。
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