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異変
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「紅葉!どうしたの!」
「何が?」
銀杏との練習中に急に演奏をやめて銀杏が話しかけてきた。
「ギター音悪いし紅葉の声に覇気がない!ついでに言うと顔も死んでる!」
「チューニングしてなかったわ。ごめんなさい。しっかりしなくちゃね」
「大丈夫?今日はもうやめる?」
銀杏が本気で心配してきた。
そんなに変かしら。私だって人間だし、忘れることくらいあるわよ。多分。
「大丈夫よ。最初からいいかしら?」
「…………うん。でもやるのは一番だけね。終わったらすぐ部屋行って寝て。勉強もしないで。何もしないでただ寝て。片付けも全部私がやるからまっすぐ部屋行って」
「それは無理よ。部屋に行って寝るのはいいけど一番だけはだめだし、片付けもやるわ」
「だーめ。どうせ無理してるでしょ。双子なんだからそれくらいわかるよ!たまには妹に甘えて!」
「無理なんかしてないわ。でもここで言い合っててもしょうがないから今回は甘えておくわ」
「それでこそ私の兄!」
銀杏がなんか変なノリを始めたが気にせずにチューニングをする。が、なんか違和感がある。
耳がおかしい。高さがわからない。
「銀杏、チューナー持ってない?」
「ベースのケースに入ってると思う。……もしかして高さわかんない?」
「ええ。どうしてかわからないけどなんとなく高いかなぁ?くらいにしかわからないわ」
「紅葉、今日はもうやめよう。休んで。なんなら明日の学校も休む勢いで」
「いや、チューナーがあれば済む話だから」
なぜか銀杏が休むことを強要してくる。
耳が変なだけで大丈夫なんだけど……。あれ?今日カラオケには行った時は普通だった気が……じゃあいつから?どうして?ピッチがわからないと部活も困る……。
「紅葉!いい加減言うこと聞いて!今すぐ!部屋に!行って!顔色悪いよ。お願いだからもう休んで」
銀杏が泣きそうな顔をして私に訴えている。
「わかったわ。ちゃんと部屋に行って寝るから、お願いだからそんな顔しないでちょうだい」
「ん。ゆっくり寝てね。学校も休んでね。ママに言っとくから」
「いや、それはちょっと……」
「何が何でも休ませます。拒否権はありませーん」
「ふふっ、わかったわ。おやすみなさい」
「おやすみー」
明日は学校休み……ね。暇でしょうね。みーくんにも会えないし。
あ、拓麻に休むこと言っとかないと待たれちゃうわね。でも明日でいいか。なんかすごい疲れちゃったわ。すごく眠い……。
ベッドに入った瞬間私はすぐに睡魔に襲われた。
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