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魔法の指
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紅葉のお父さんとの会話を終え、紅葉の部屋に行く。
やっぱりこの家はでかい。俺の家2つ分は軽くあるよな。
部屋に入ると紅葉は森野と喋っていた。
そうして3人で話しているとだんだん俺と紅葉だけになり、ついには森野が離脱して本当に2人だけになった。
いちゃいちゃしすぎたかな?反省をする気はないけど。
「みーくん、私ね、みーくんにはギターかベースをやってほしいのよね」
紅葉が急に楽器の話をし始めた。前に楽器を始めるかみたいな話をしていたからその続きなのか。
「最近ね、ベースの子が勉強に専念したいって言ってバンドやめちゃってベースがいない状態なのよ。だからもし、みーくんがギターかベースに興味を向けてくれればバンドに引きずり込もうかなって思ってたの」
「別にそれはいいけど俺楽器なんてやったことないよ?」
「大丈夫よ。私がちゃんと教えるから。もしギターがよければギターになって私がベースやってもいいし、ドラムがよかったらドラムでもいいわ。銀杏も1通りできるから。キーボードだけはあの子で固定だからダメだけれど」
「バンドって4人なの?」
「私たちのところは5人いるわ。1人やめてしまったから今は4人だけど。ギターが2人いて、あとは1人ずつって感じよよ」
「ふぅん。人多いな。俺本当に足引っ張らない?ちょっと不安になってきたよ?」
「だから大丈夫よ。みーくん指長いから弦は出来ると思うのよ」
指が長いからギターやベースができるとはどういうことだ、と思いながらも聞く。
「みーくんの手は魔法みたいなのよ。触れられる、とそこが……ポカポカ……してね……」
あったかいの……と言って紅葉の瞼が閉じられた。
普通に喋ってたから何も気にしてなかったけど、紅葉は熱が出てたんだ。熱ある時ってすごい眠いよな。忘れてた。
紅葉を布団に寝せて頭を撫でると少し険しかった顔が緩んだ。可愛い。
「お大事に」
マスク越しだが軽くキスをして部屋を出る。
リビングに行き紅葉のお父さんに帰る旨を伝え紅葉の家を出る。
俺の恋人は普段とても可愛いが、熱が出るとありえない可愛さになるようだ。若干喋り方が拙くなっていて、しゃべるスピードも少し遅くなる。そして目はトロンとしていてふにゃりと笑う。
これが病人じゃなかったら襲うところだった。危ない危ない。
俺の恋人はとりあえず可愛いんだ、ということが再確認できた。
ㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤSide end
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