アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第64場 blue moon
-
【第64場 blue moon】
(マリアの卓)
エレア:「おはよ。」
マリア:「おはよ、じゃないから。」
エレア:「時間的におかしいか?でもいつも、おはよっつってるよな?」
マリア:「いや、そーじゃなくて。
今月、全部の客にシャンパンプレゼントしてるらしいじゃん。」
エレア:「おー!耳が早いな。そうだ。さすがにドンペリってわけに行かないけど、モエを出してるよ。みんなにお世話になったからな。」
マリア「細客も太客も全部同じ扱いなんだって?なんてゆーか、エレアらしいけど。
それに辞めたら連絡取れないってはっきり言ってるって?」
エレア:「あぁ、ここまで来たら嘘はつきたくないから。」
マリア:「でもその理由が『大学受験』って嘘くさい理由らしいね。」
エレア:「嘘くさくてもホントなんだから仕方ないだろ。」
マリア:「は?ホントに大学受験するの?今さら?」
エレア:「あれ?俺マリアには言ってたと思ってたけど、言ってなかったか?」
マリア:「なにを?」
エレア:「俺、これでも一応現役の高校生。開成高校の3年。」
マリア:「は?!まじで?!聞いてない!
しかも開成高校ってあれでしょ?クイズ番組とかに出てる超頭いいとこ。」
エレア:「悪い、言ってなかったか。
最初に店に入る時、店長に二十歳って設定って言われたから、店では二十歳だけどまだ18。で、今年つーか、来年の1月が入試。」
マリア:「ほんとに高校生なんだ…。びびった。高校生でmoonグループNo.1なんて、ほんとに歌舞伎町ドリームじゃん。」
エレア:「あ、でも辞めるまで二十歳で通すから、あんまり人に言わないでな。」
マリア:「いや、言わないけど。
でも、だからホントに勉強のために連絡取らないの?」
エレア:「まぁ、それもなくはないけど。」
マリア:「なによ。なんか含みのある言い方。」
エレア:「俺さ、好きなやついるんだ。今はホストやってること理解するって言ってくれてるけど、本音は嫌だろうから、店辞めてからもお客さんと会ってたらもっと心配するだろ?」
マリア:「あのさー、いくら友営だからって、彼女いますって宣言、私にする?」
エレア:「マリアにはお世話になったしマリアとは辞めても連絡取るつもりだから、真実を知ってて欲しかったんだ。
それと、彼女ってのはちょっと違う。」
マリア:「好きなやつがいるって言ったじゃん。付き合ってはいないってこと?」
エレア:「そうじゃなくて。いいか、でかい声出すなよ。俺が好きなやつは、男なんだ。付き合ってるから、『彼女』ではないけど『恋人』って感じだな。」
マリア:「えー!!!」
エレア:「マリア、声がでかい!」
マリア:「ご、ごめん。あまりに衝撃的過ぎて。エレアってゲイだったの?だから友営?」
エレア:「ゲイ…なのかな。
基本はストレートだし、女しか抱いたことないし、今でも他の男には興味ないけど、そいつだけは男だけど好きなんだ。」
マリア:「複雑過ぎる…。
でもそんだけその子が特別ってことか。
でもなんで私にカミングアウトしたの?」
エレア:「さっきもマリアとは店辞めても連絡取るつもり、って言ったろ?
でも、そいつにいらん心配かけたくないから、マリアにはそいつに1回会ってほしいんだ。」
マリア:「どんだけ大胆なの。
ぶっ(笑)もう、いろいろ含まれ過ぎてて、笑うしかないじゃん(笑)」
エレア:「いや、真剣なんだけど。」
マリア:「あはは(笑)わかった、わかった。
内心はちょっと複雑な部分もあるけど、エレアが正直に話してくれたから、もー全部受け入れるわ。」
エレア:「ありがとう。マリアならわかってくれると思ったから話したんだ。」
マリア:「うん、わかったよ。」
エレア:「よかった。」
マリア:「で、いきなり話変わるけど、ラスイベやるんでしょ?」
エレア:「あー、俺は先月あんだけ派手にやったから、ラスイベはいいやって思ってたけど、店長が『店のためにやってくれ』って言うから。
店にも店長にもお世話になったから、そう言われたら断れなくて。
でも、ホントに派手にはやらないつもり。」
マリア:「私タワーやる!」
エレア:「おい、マリア、俺の話聞いてた?」
マリア:「聞いてたよ。でもmoonグループNo.1がラスイベでタワーなしなんてカッコつかないし、指名してる私のプライドもある。
もし九十九君がいたら、怒られてるとこだよ?」
エレア:「マリア…。」
マリア:「大丈夫、もうルイブラックなんてやらないから。ピンドンでいいでしょ?
1回ピンクのタワーやってみたかったんだ。」
エレア:「でも大丈夫か?」
マリア:「マリア様を舐めるでない(笑)
とにかくやるよ!いいね!」
エレア:「わかった。
じゃあお言葉に甘えて、お願いします。」
マリア:「よし!じゃあ今日は景気づけに飲むぞ!」
エレア:「またテキーラか?」
マリア:「あったりー!」
エレア:「ホントにマリアには敵わないわ。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
65 / 440