アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第67場 しゃぶしゃぶ店の前
-
【第67場 しゃぶしゃぶ店の前】
かお:「すーはー。」
エレア:「なんだ、まだ緊張してんのか?」
かお:「当たり前だよ!」
エレア:「大丈夫だって。俺達の関係は話してあるし、堂々としてればいいから。
なんか聞かれても、かおが思った通りに答えればいいから。」
エレア:「じゃ、もう先に着いてるみたいだから、入るぞ。」
かお:「待たせてるの?!じゃ、早く行かないと!」
キィッ
エレア:「伊藤で4人で予約してる者で、先に2人来てると思うんですが。」
店長:「伊藤様ですね、ご案内します。」
ガラッ
エレア:「おはよー。待たせてすいません。」
かお:「こ、こんばんは。」
敦子:「大丈夫よ、私たちも来たばっかりだから。」
マリア:「立ってるのもなんだし、座って座って。」
エレア:「お邪魔しますっと。」
かお:「お、お邪魔します。」
マリア:「もしかして凄い緊張してる?」
敦子:「そりゃそうでしょ。
水商売に免疫ないって言ってたから、そのお客さんに会うってなったら緊張するわよ。
しかもホストで、お客さんが女なんだから。」
かお:「すみません。」
敦子:「謝る必要はないわよ。
それよりエレア、紹介してくれないの?」
エレア:「あ、そうですね。
こいつがオレの『恋人』の、かおです。」
かお:「初めまして、石田かおりです。」
マリア:「可愛い~。
男の子なのはわかるけど、中性的な感じで。
かおり君ね。
わたしはマリアだよ。よろしくね。」
かお:「よろしくお願いします。」
敦子:「ホントに可愛らしい子ね。
男の子に可愛いって言っても嫌かもしれないけど…。」
かお:「あ、いや、慣れてるので。
名前も女っぽいし。」
敦子:「かおりくんね。確かに男の子には珍しい名前だけど、個性があっていいじゃない。
私は伊藤敦子。敦子でいいから。
よろしくね。」
かお:「はい、よろしくお願いします。」
エレア:「自己紹介はそこら辺にして、飲み物頼みませんか?俺、喉乾いてて。」
敦子:「そうね、飲みながらゆっくり聞きましょう。私は赤ワイングラスで。」
マリア:「じゃ私はカシオレ。」
エレア:「俺はビールで、かおはオレンジジュースでいいか?」
かお:「うん。」
マリア:「かおりくんは、お酒飲まないの?」
かお:「お酒強くないから、苦手なんです。」
敦子:「ザルなエレアとは真逆ね。」
マリア:「かおりくんも若そうだけど、やっぱり高校生?エレアと同じ開成高校?」
かお:「いえ、一応大学生です。高校は開成高校じゃなくて、今は早稲田の文学部にかよってます。」
敦子:「早稲田!エレアが開成高校って聞いた時も驚いたけど、かおりくんも頭いいのね。」
マリア:「で、2人の出会いは?いつから付き合ってるの?告白はどっちから?」
エレア:「元々親同士が仲良くて、従兄弟みたいに育ったってゆーか。付き合い始めたの、地元の花火があった7月から。告白は俺から。」
敦子:「花火なんてロマンチックね~!」
マリア:「かおりくんは、告白されて好きになったの?元々好きだった?」
かお:「僕はこんな性格だから、昔からエレアに守られてて、気づいたら自然と好きになってました。」
マリア:「じゃあ、ずっと両思いだったんだー!エレアはすごい頭いい学校なんでしょ?やっぱりかおりくんと同じ早稲田受けるの?」
エレア:「いや、俺は親に金出してもらいたくないから、国公立行きたいし、東京医科歯科大を目指してる。
ってか、マリアぐいぐい来すぎだから。
かお緊張してるし、お手柔らかに頼むよ(笑)」
マリア:「えー!だって気になるじゃん!
わかった。じゃあ、最後の質問。
かおりくんはエレアのどこが好き?」
かお:「そうですね、自分を持ってるからだと思います。自分の考えがちゃんとあって、自分の考えに素直にしたがって進んでいくところです。
それと、エレアの周りには気づいたらいつも人が集まって来るから、その人望にも惹かれてると思います!」
マリア:「合格!いや、合格の合格!」
エレア:「なんだよ、合格って。」
マリア:「気に入らなかったら、『絶対認めない』って言うつもりだったんだけど、かおりくんホントにいい子だし、なによりエレアのことすごくわかってくれてるから、合格!」
かお:「あ、ありがとうございます。」
マリア:「敦子さんは?」
敦子:「そうね、もちろん合格ね。
可愛らしいし、礼儀正しいし、そして、本当にエレアのこと好きって伝わってきたから。」
エレア:「なんか品評会みたいでちょっと嫌だけど、かおのこと認めてくれたのは嬉しいです。」
マリア:「でも、本当に男の子が好きだったのね。」
エレア:「それはこないだ言ったろ?」
マリア:「初回でも言ってた。」
かお:「初回?」
マリア:「初めてお店に行くことだよ。
私が初めてエレアのお店に行った時、…その時ちょっと私、精神的に病んでて迷惑なお客だったんだけど、『なんか言えない秘密を言え』って迫ったの。
そしたら、『男が好きです』ってエレアが答えたから、嘘でしょって言ったら『そいつのことについては、嘘はつきません』って。」
エレア:「よく覚えてたな!こないだはそんなこと言ってなかったじゃん。」
マリア:「いや、全然忘れてたんだけど、かおりくん見て思い出した。2人とも本当に好きあってるんだなーって。」
エレア:「うわっ。恥ずかしー。」
敦子:「私の初回でも言ってたわよ?
『彼女いるの?』って聞いたら、『彼女じゃないけど、好きなやつはいます』って堂々と言い切ってくれたわ。」
エレア:「もー俺を辱めるのは勘弁してください。」
マリア:「でも、かおりくんは嬉しいでしょ?」
かお:「…はい。すごく恥ずかしいけど、でも嬉しいです。」
マリア:「うん!素直でよろしい!
よし!今日は飲むぞー!」
エレア:「今日は、って、マリアは毎日潰れるほど飲んでるだろうが(笑)」
マリア:「今日は特別なの!
エレアとかおりくんの公認記念日!
だから祝い酒!」
敦子:「そうね、祝い酒って感じね。」
かお:「あの!」
マリア:「ん?どうした?
大丈夫だよ、かおりくんには飲ませないから。」
かお:「そうじゃなくて。
認めて下さって、ありがとうございます。
お二人共、すごくエレアのこと応援して下さってるのわかったし、僕達のこと聞いても引かないでいてくれたから。」
エレア:「かお…。」
マリア:「認めるよ!それ以上に応援する!」
敦子:「あら、それはもちろん私もよ。」
かお・エレア『ありがとうございます。』
マリア:「息ぴったりで妬けるんですけどー(笑)」
敦子:「ホントにね(笑)」
(その後、食事をしなから談笑し、かおも次第に打ち解けていった)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
68 / 440