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第69場 ハルの勤務先
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【第69場 ハルの勤務先】
(屋上)
(ハルはベンチに据わってうたた寝をしている)
ピトッ
ハル:「熱っ!って社長!」
あかざえもん:「おー校了したからって、仕事中に堂々と昼寝とは優雅なご身分だな!」
ハル:「すいません!でも、あの今、編集の途中で、1時間休憩って決まったんで、決してサボってたわけじゃ…。」
あかざえもん:「知ってるよ。今、ジャンプ~編集部に行ってきたからな。」
ハル「え?うちの編集部に?また会議出られるんですか?」
あかざえもん:「はずれー。俺はお前を探してたんだ。これ渡そうと思ってな、ほれ。」
ハル:「熱いっす、なんすか、これ?冷やし甘酒?でもめちゃくちゃ熱いんですけど。」
あかざえもん:「おう!自販機で冷たいのしか売ってなかったから、鍋で湯煎してあっためてやった。」
ハル:「なんでわざわざ…。」
あかざえもん:「ばかやろー。甘酒は熱々言いながら飲むのがいいんだ。」
ハル:「はぁ。でもどうして俺に甘酒くれるんですか?」
あかざえもん:「会社じゃ酒が飲めねーから、甘酒で我慢しろ。」
ハル:「いや、そうじゃなくて。もう少し俺にもわかるように説明してもらえません?」
あかざえもん:「だーから、祝い酒だ。」
ハル:「祝い酒ってなんの?」
あかざえもん:「カワイコちゃんカップル上手くいったんだろ?かおりちゃんとエレアちゃん♡」
ハル:「なんで社長が知ってるんですか!しかも名前まで…。」
あかざえもん:「俺は来客名簿をチェックするのが趣味で、カワイコちゃんの名前は覚えたら忘れねー。」
ハル:「すごい趣味ですね。名前の謎は解けましたけど、上手くいったってなんで知ってるんですか?まさか俺のケータイ!?」
あかざえもん:「失礼なやつだな。俺は勝手に人のケータイ見たりしねーよ。
ただちょっと前にジャンプ~編集部に寄った時、お前がデカイ声で『よし!エレアよかったな!』ってひとり言言ってたから、ピンと来ただけだ。」
ハル:「そのセリフだけでわかるって、社長怖いです…。」
あかざえもん:「人間観察はビジネスの基本だ!」
ハル:「はい、勉強になりました。もうデカイ声でひとり言は言いません。」
あかざえもん:「あと、その祝い酒はエレアちゃんの勝利の祝い酒でもある。」
ハル:「勝利?」
あかざえもん:「ホストの売上対決でエレアちゃん勝ったんだろ?」
ハル:「なんでそれも知ってるんですか?!」
あかざえもん:「まー、飲み屋のことは大体知ってるからな。特に新宿は色んな店があって面白いから、よく行くしな。」
ハル:「本当に社長が怖いです。」
あかざえもん:「んで?
エレアちゃんが勝利したって話したのに、100%で嬉しそうじゃないのはなんでだ?」
ハル:「それは…その勝負したもう一人も知ってるんで、エレアが勝ったことだけを素直に喜べないというか。」
あかざえもん:「なんだぁ?カワイコちゃん2人じゃ足りなくて、九十九ちゃんにもちょっかいかけてんのか?」
ハル:「だから、どーして九十九のことまで………って、もう聞くの止めます。」
あかざえもん:「九十九ちゃんも知ってるから、勝敗が素直に喜べないってだけでもなさそうだな。なんか気になることあんのか?
この際だ、俺にしゃべっとくと後々楽かもしんねーぞ。」
ハル:「楽??…なんか謎は残りまくりですけど、社長ならわかってもらえるかな。」
あかざえもん:「おう!話せ話せ!今なら特別に内緒にしといてやる。」
ハル:「その、ホストの勝負はよくわかんないですけど、エレアが勝ったのは嬉しいんですが、エレアにはかおがいるから、もし負けてても救われたと思うんです。
でもつくもの方は、なんか無理して孤独抱えてるような感じがして、勝負に負けたなら尚更、1人にしとくのが心配なんです。」
あかざえもん:「なるほどな。で、子猫ちゃんを手懐けたいと。」
ハル:「そうですね、野良猫みたいでほっとけないです。」
あかざえもん:「だが、相手はただの子猫ちゃんじゃねーぞ。ありゃー鋭い牙を持った豹みてーなやつだからな。」
ハル:「そうなんですよね。あんまり深入りするのは、まだ拒まれてる気がします。」
あかざえもん:「だが『まだ』だろ。お前次第で手懐けられるかもしれねーぞ。」
ハル:「そうですね、あー、なんかつくもが心開いてくれるような案ないですかね?」
あかざえもん:「そんなもん俺が知るか!」
ハル:「え、冷たくないですか?もーちょっと、こーアドバイスとか…。」
あかざえもん:「お前はやっぱりミジンコだな。人に攻略法聞いて攻略して何が面白いんだ。ホイミでもメガンテでも使い分けて、自分で攻略しろ。」
ハル:「メガンテって自爆呪文じゃないですか…。」
あかざえもん:「まー、自爆するかは別として、せいぜい引っかかれるか、噛みつかれるかくらいは覚悟しとくんだな。」
ハル:「はぁ、やっぱ難しいですよね…。」
あかざえもん:「ミジンコ!物事は難しいほど面白いんだ!
で、そろそろ編集会議再開の時間だが、お前はまだここで子猫ちゃん攻略を考えとくか?」
ハル:「やばっ。本当にこんな時間!
すいません。俺、行きます!
あ、甘酒ありがとうございました!」
(ハル立ち去る)
あかざえもん:「うーん、どこもかしこも青き春だな(笑)」
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