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第80場 つくもの家
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【第80場 つくもの家】
つくも:「ハルさんねー。
法定代理人になろうとしてくれてる気持ちはすげー伝わったし、信頼しても大丈夫そうとも思ったけど。
…汚れてないんだよな。
俺のブラックな部分まで、責任追わせるわけにいかねーよな。
しかも婚約者がいるってなりゃーなおさら迷惑かけられねーし。
ってか、俺が誰かを打算なしに頼ろうとしてんのがどうかしてたんだな。
でも大学入試から二十歳まであのクソジジイと関わるのは、絶対避けてーしな。
ここはやっぱ金で解決して、金で動いてくれるやつに法定代理人になってもらうしかねーか。
かと言って、あんまり胡散臭いヤツだと、代理人立会いとかの時不味いしな。
んー、話せるのはヒロママくらいだけど、あの見た目で代理人ってわけにいかねーし、収入証明とかだせねーしな。
blue moonのオーナーに頼む…ってなると戻ってこいってなるしな。
くそ。八方塞がりだ。」
ブブーッ
『ハル:勉強頑張ってるか?こないだの記述模試はどうだった?志望校決まったか?またうちで鍋食いながら話そう。今週と来週の土日は休みだから、都合の合う日連絡してくれ。』
つくも:「はぁ、面倒見のいいことで。
でも、つくもは今、寝てるので返事返せませーん。」
つくも:「って、実際LINE考えてる場合じゃねーし。とりあえずツテで、紹介してもらうか。オーナーに頼むと戻れって条件出されそうだから、ヒロママに電話だな。」
つくも:「もしもし?ヒロママ?つくもだけど。」
ヒロママ:『あら、どうしたの?飲みに来る?』
つくも:「ちょっと頼みがあんだけど、金で動いてくれる人で、ある程度社会的信用ある人知ってたら、紹介してくれね?」
ヒロママ:『まぁ、飲みにも来ないで、電話で頼み事ぉ?どうせあれでしょ、こないだの、えーっと、法定代理人!』
つくも:「そう、それ。成人するまで責任半分持ってもらうみたいになるし。俺がこれからやりたいことだと、今までみたいな適当なヤツじゃだめで。社会的信用がある人じゃないと難しいんだ。」
ヒロママ:『でも、それは人畜無害なイケメンさんがなってくれるんじゃなかったの?』
つくも:「んー、それがちょっとお蔵入りになったから、探してんだ。ヒロママなら顔が広いから、誰か心当たりねー?」
ヒロママ:『うーん、基本お金では動いてくれないけど、興味を持ったら最後までケツ拭いてくれる人はいるわね。いくつかビジネス手がけてるから、社会的信用もあるはずよ。』
つくも:「金で解決できねーのは、困るかなぁ。いちいち生い立ち話すのも嫌だし。後から面倒なのも嫌だし。」
ヒロママ:『なら、金で解決して欲しいって自分で話してみたら?その話の内容次第では、形上はお金で解決してくれるかもよ。』
つくも:「信用できるヤツ?」
ヒロママ:『株式会社1518(一期一会)とか、邂逅(かいこう)株式会社とかの社長。他にもいつか会社経営してるみたいよ。』
つくも:「1518って有名プロダクションだし、邂逅は大手イベント会社だろ?俺でも知ってる。そんな人が金で動いてくれるのか?」
ヒロママ:『だから、話次第だってば。かなり自由人で、お金と時間があるから、面白い話が好きみたい。だから、九十九の話し方次第ね。』
つくも:「わかった。まぁ元々ダメ元で探してるし。ってか、ヒロママとどういう繋がり?
ヒロママ:『その人、バイだから、二丁目のバーで意気投合して、たまにお店に来る客よ。』
つくも:「バイ?!体要求されんのも困るんだけど。」
ヒロママ:『それはないわね。ノンケよりのバイで、無理矢理犯すような人じゃないし、基本愛がないとsexしない主義みたいだから。』
つくも:「なら、その人、紹介して。
店に来るんだよな?周期的にいつくらい?」
ヒロママ:『不定期ね。でも時間あるはずだから、面白い話があるって言えば、今日にでも来るかも。』
つくも:「じゃ、頼む!今日連絡してみてくれね?もう12月だし、法的手続き考えると時間ねーんだ。」
ヒロママ:『ワガママな子ね(笑)
わかったわ。今から電話してあげる。
後でLINEするから。』
つくも:「Thanks! 待ってる!」
(10分後)
ブブーッ
『ヒロママ:詳しい話は何も話してないけど、面白い話があるって言ったら、今から来るって。』
つくも:「よしっ!」
『つくも:じゃ、俺も今から行く!
一番奥のBOX席取っといて。んで、周りは空き卓しにて!その分の売上分くらいは払うから!』
『ヒロママ:OKよ!』
つくも:「よし、準備。
ヒロママの店とは言え、大手の社長に会うなら、ジャケットくらいは着用だよな。」
つくも:「いざ出陣!」
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