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第89場 つくもの家
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【第89場 つくもの家】
(23時半)
ドサッ
つくも:「とりあえず一件落着…なのか?
LINE通知OFFにしてたけど、すげー数のアイコンバッジが。
って、留守電もすげー数。
津田さんと写真撮るとき鳴らなくてよかったわ。
『ハル:本当にすまん!時間変えれそうか?』
『ハル:弁護士に電話できたか?
俺が事情直接話すように電話するか?』
『ハル:どうなってる?状況教えてくれ』
『ハル:他の弁護士見つかりそうか?』
『ハル:俺もダメもとでネットで探すな』
『ハル:情けないが俺は見つかってない。そっちはどうだ?』
『ハル:時間かかるなら、俺にも番号教えてくれたらかけるぞ。』
『とりあえず1回電話してくれ!』
・
・
・
・
つくも:「やっぱり俺が行く…とは、ならねーか。
………なに期待してたんだ俺。
って、津田さんがほぼ解決してくれたじゃん!
しかるべき時になったら?代理人も代わってくれるってゆーなら、ハルさんも納得してくれるよな。
心配してくれてるし、まず電話!」
♪トゥルル
ハル:『つくも!!!』
つくも:「出るの早っ!」
ハル:『連絡全然ないし、LINE既読にならないし、電話も出ないし…大丈夫か?』
つくも:「法定代理人の件はなんとか。」
ハル:『それは、よかった。
でも、そうじゃなくて、つくもの気持ちのことだ。つくも自分の気持ち無理やり飲み込んで《瞳のとこに行ってくれ》って言ったろ?
傷つけたと思って、心配してたんだ。」
つくも:「大丈夫っすよ。仕方ないことですし。
そんな事で傷つくほどヤワじゃないっす。
それに代理人の件は解決したんで。」
ハル:『それだ!どうなった?
時間変更できたか?他の弁護士んとこか?』
つくも:「ハルさん、ちょっと落ち着いてください。
えっと、簡単に言うと、明日代わりに弁護士のとこ行って、法定代理人になってくれる人が見つかりました。」
ハル:『え?どういうことだ?』
つくも:「だから、一旦、別の人に法定代理人になってもらいます。時間だけは解決出来なかったんで。
でも『一旦』なんで、しかるべき時にハルさんに代理人代わってもらうって話になってます。」
ハル:『そう、か…。別の人に…。
で、その人はどんな人なんだ?信頼できるのか?」
つくも:「んー信頼はして大丈夫だと思います。ちょっと読めないとこのある人ではありますけど、社会的地位もある人だし、性格的にも今回のことで無理難題言ってくる人ではないです。」
ハル:『信用してるんだな…。
なんて人なんだ?なにしてる人だ?』
つくも:「いくつか会社経営してる人です。名前とか詳しいことは、電話ではちょっと。」
ハル:『そうだな、じゃあ明日つくもの手続きが終わったら、会えるか?17時はどうだ?』
つくも:「俺の手続きは二時間くらいで終わるみたいだから大丈夫ですけど、病院そんな早く抜けて来て大丈夫なんですか?」
ハル:「ああ、こっちも二時間いれば十分だろ。弁護士事務所の場所は大手町だったよな?
じゃあ麻布十番の駅の近くに、個室の飯屋があるから、そこにしよう。
駅で待ってるから、一緒に店に行こう。
もし先に着いたら、スタバがあるからそこにいてくれ。」
つくも:「わかりました。じゃ明日17時に。」
ピッ
つくも:「後は明日津田さんの説明…の前に写メ見せるのか?それで話が通じればいいけど。」
♪リーン、リーン
つくも:「津田さん?はい、つくもです。」
やくざえもん:『電話で話終わったか?』
つくも:「ベストタイミング過ぎて怖いくらい、今さっき電話終わりました。」
やくざえもん:『ハルさんとやらは、焦って17時くらいに会う約束でもしたろ?』
つくも:「なんで分かるんですか?」
やくざえもん:『自分のカワイコちゃんが取られそうなら、それくらいは焦って貰わねーとな。
で、言い忘れたことがある。
つくも明後日家庭裁判所の手続き終わってから、1週間海外旅行ってことにして、そのハルさんとやらには会うな。
行き先はそうだな、つくも実家以外でよく行った場所とかあるか?』
つくも:「え?なんで海外旅行?
よく行ってたのは、従兄弟がいるカナダのトロントですかね。」
やくざえもん:『お、ちょうどいいな、俺もトロントはチャイナタウンにビジネスで行ったことがある。ハルさんとやらと連絡は取ってもいいが、世界時計とかにトロント合わせとけ。で、もう学校は自由登校だろうから、昼間は家で寝てろ。んで、毎晩俺に付き合え。』
つくも:「それって、つまり、俺と津田さんがトロントに旅行してる体にするってことですか?」
やくざえもん:「せーかーい!
でも、ハルさんってやつには、俺と旅行してるって言うな。その従兄弟の家に行くってことにしとけ。」
つくも:「え?なんでですか?しかも、夜付き合えってのは?」
やくざえもん:「ま、理由は俺だけ知ってりゃいい。夜付き合って欲しいのは、最近ヒマなのと、お前の起業の話に興味があるから聞きたいと思ってな。
代理人の話を盾に取るわけじゃないが、それくらいできるだろ?」
つくも:「わかりました。津田さんには俺の読めない考えがたくさんあるんで、従います。
起業の話は俺も勉強させてもらいたいし。」
やくざえもん:「じゃ、決まりな。
んじゃ、今度こそ明日14時にな!」
つくも:「はい、失礼します。」
つくも:「ホント読めない人だな。
まあ、津田さんに任せとけば間違いないか。
…って意外に俺、津田さんのこと信頼してんな。まじ不思議なオッサンだ。」
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