アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第91場 つくもの家
-
【第91場 つくもの家】
つくも:「んで、最後も〇と。
もー余裕だな。ってか勉強飽きたわ。
志望校どこにすっかな?
早稲田以外ならどこでもいーし、見る限りどこの学部も似たり寄ったりだしな。」
♪リーン、リーン
つくも:「津田さん?
はい、もしもし、つくもです。」
やくざえもん:「おー!起きてたか!」
つくも:「夕方の4時ですよ?」
やくざえもん:「昼間は寝とけって言ったろ?
夜は俺に付き合うんだから、途中で寝るとか勘弁な。」
つくも:「大丈夫ですよ。これでも16から夜の世界で生きてきたんで、超夜型です。」
やくざえもん:「んで、今何してた?
今日用事あんのか?」
つくも:「大学の過去問解いてて、ちょうど飽きたところです。」
やくざえもん:「おー、なら丁度いいな。
今日はお前の遍歴とか色々聞かせろ。
でもその前にちょっと早めに出てこれるか?
つくも:「はい、俺はいつでも。」
やくざえもん:「なら、今から青山にあるFREEDOMって会社に来い。
地図はメールで送る。
1階が服屋になってるから、そこから入ってこい。」
つくも:「わかりました。じゃ、失礼します。」
(青山 ビル前)
つくも:「やべ、この店の服、超カッコイイ!今度見に来よーかな。
…って、津田さん待たせてるんだった。」
キィ
店員:「いらっしゃいませ。
あ、つくもさんですね。ご案内します。」
(ビルの3階)
店員:「社長、つくもさんいらっしゃいました。」
やくざえもん:「おー来たか。早かったな。
場所すぐわかったか?」
つくも:「あ、こんにちは。
はい、俺の家、恵比寿なんで近くです。
この辺も通ることあるんで、すぐわかりました。
でも1階にあんなカッコイイ服屋あったのは、知りませんでした。」
やくざえもん:「だとよー、ミゲル!
よかったじゃねーか!」
ミゲル:「やだぁ。ホントにぃ?
激ヤバ嬉しいぃ。しかもイケメン~♡」
つくも:「あの、突っ込んで良いのか、質問していいのかわかんないんすけど。」
やくざえもん:「ミゲルはカマ寄りのゲイだ。
この店は先月オープンしたばっかりで、海外のまだ無名ブランドのセレクトショップ。
買い付けは全てミゲルに任せてる。」
つくも:「へー!ミゲルさん、センスいいんすね!俺、ゆっくり見たくなりました!」
ミゲル:「あら、ゲイに偏見もなくて、私のセンスも褒めてくれるなんて、イケメン過ぎだゾ♡」
やくざえもん:「ってことで、ミゲル、何着か頼むな。」
ミゲル:「りょーかいですっ!」
つくも:「ここの部屋、モノトーンだけど、オシャレな応接間って感じですね。
ファッション系の面会用ですか?」
やくざえもん:「ま、そうだな。
それ以外にも雑誌の対談とかで使ったりする。」
つくも:「だから、カメラマンさんがいるんですか?今日もなんかあったんですか?」
やくざえもん:「カメラマンは、お前のためにいる。」
つくも:「え?」
やくざえもん:「これからお前には、ミゲルの選んだ服を来て、ここで何枚かと、もう一個上のスタジオで何枚か撮らせてもらう。」
つくも:「なんでですか?
俺、なんかの業界目指してませんよ。」
やくざえもん:「そこが惜しいとこなんだよなー。絶対うちから売り出したら売れるのに。
でも、今日はちと作業用にな。」
つくも:「はぁ。」
やくざえもん:「大丈夫だよ、悪用はしねーし、後で秘密は教えてやる。
まぁ、その間は俺と他愛ない話でダベってろ。
お人形さんになってもらう報酬として、今日着た服全部やるから。」
つくも:「まじですか?
相変わらず津田さんは謎が多いですけど、後で種明かししてくれるなら、とりあえず言う通りにします。それにミゲルさんの選ぶ服は興味あります!」
やくざえもん:「あと、お前のトロントの従兄弟の写真あるか?何枚かあるとありがてぇが、もし無ければ1枚でもいい。」
つくも:「あります。俺個人の携帯に一緒に撮ったやつと、インスタやってるんでそこに何枚か載せてるみたいです。」
やくざえもん:「じゃ、今からInfinity.comってドメインから空メール送るから、そこにそいつら添付して送れ。」
やくざえもん:「おい。」
カメラマン:「はい。」
♪ブブ
つくも:「なんとなく津田さんの考えてることわかりました。なんでそうするのかは、まだわかんないですけど。」
やくざえもん:「写真撮られるのは慣れてるか?」
つくも:「ホストやってる時、専門誌で何回か対談とか特集あったんで、大丈夫です。」
やくざえもん:「なら、勝手に撮るけど気にするなよ。」
つくも:「はい。で、俺はどうしてれば?」
やくざえもん:「俺とダベるんだって
細かい話はここでは聞かねーから、当たり障りない程度に聞かせろ。」
つくも:「はい、なにか質問ですか?」
やくざえもん:「高校生なんだよな?
どこの高校行ってるんだ?成績は?」
つくも:「開成高校で、成績は評定平均4.8です。」
やくざえもん:「ヒュー。
頭いーやつだとは思ってたが、学校のお勉強までとはな。名門校の優等生か。」
つくも:「一応、表の顔はそうですね。」
やくざえもん:「で、大学受けるために法定代理人が必要だって言ってたが、どこ大の何学部だ?」
つくも:「学部は企業したいんで、経済かなって考えてて。でも大学は決めかねてます。
国立なら一橋で、私立なら早稲田,慶応,上智あたりを考えてます。」
やくざえもん:「なら、早稲田か慶応だな。」
つくも:「詳しいんですか?」
やくざえもん:「逆だ。俺は高校ギリギリ卒業した組だから、どこの大学が偏差値高いとかは大体しかしらん。
転職組が入社してくるとき、周りが情報としてくれるくらいだ。
だが、そんな大学に無知な俺でも、早慶が有名だってことは知ってる。」
つくも:「そうですね、名前は知られてますね。でも国立の方が評価高くないですか?」
やくざえもん:「もうちょいレベル下の大学なら、『国立』って肩書きが有効だが、それより『早慶』の方がネームバリューがある。
企業したいんだろ?」
つくも:「はい。本当は大学行かなくてもいいくらいですが、日本は学歴で判断されることが多いんで、大学行った方がいいかな、と。」
やくざえもん:「だったら、理由は簡単だろ?
一橋は確かに優秀だが、早慶ほどのネームバリューはねーからな。早慶出身ですってエサの方が、飛びついて来るやつは多い。
偏差値うんぬんより、地方の田舎モンでも知ってる大学出た方が得だ。」
つくも:「じゃ、東大受かるなら、東大の方がいいんですか?」
やくざえもん:「なんだ、東大も合格圏内か。」
つくも:「学部は言えませんけど、一応S判定出てます。もちろん理Ⅲとまでは行きませんけど。」
やくざえもん:「へー。でも東大は却下だ。
『東大=お勉強して入りました!』ってイメージが強いから、敬遠されがちだ。
それに、見た目、金、学歴全部完璧に揃ってるのは妬まれるから、ちょっと外して早慶くらいがベストだと思うぞ。
『遊び』が大切ってやつだ。」
つくも「遊び、ですか?」
やくざえもん:「まぁ、余裕、ゆとりみてーな意味かな。道路に伸び縮みしてもいいようにつなぎ目あるだろ?あれと同じだ。
それに、お前が最初にやりたいことを想像したところでも、早慶がいーな。」
つくも:「わかりました。じゃあ、慶応にします。」
やくざえもん:「早稲田は受けねーのか?」
つくも:「早稲田はちょっと事情があって、受けたくないんです。」
やくざえもん:「その事情とやらも、今週ゆっくり聞かせてもらうかな。」
カメラマン:「OKです。」
ミゲル:「はーぁい。じゃあ、アタシの番ね。
つくもくん、フィッティングルーム案内するから。」
(その後、何着かの着替えを交えながら、やくざえもんとつくもは雑談を続けた)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 440