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第95場 ショットバー
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【第95場 ショットバー】
(12月14日金曜日 ハルが瞳の病院に行った日)
(23:30頃)
やくざえもん:「今日の物件で、あらかたメドはついたな。そろそろ『日本に帰る』か。」
つくも:「ありがとうございました。
今日の物件、かなり気に入りました。
箱のサイズとか、柱の間取りとか。」
やくざえもん:「でもよかったのか?
セントラル抜けてすぐの路面店なんてベストな物件もあったのに。」
つくも:「確かにあの立地の路面店があの価格で借りれるのは、魅力でしたけど。
でもまだどれくらいのキャスト集まるか分からないんで、強豪他店といきなり肩並べて、肩すかしくらうとダセーんで。
それに、エレベーターあった方が、その空間ホスト独り占めできるから、次回交渉もしやすくて、ホストの価値上がるんで。」
やくざえもん:「なるほど。
だてに約3年No.1だったわけじゃないってか。
で、『日本に帰る土産』は昨日頼んだやつ明日着でいいんだよな?家にいるのか?」
つくも:「はい。ありがとうございます。
現地の物があんなに簡単に手に入るなんて。
ネットで頼もうと思ってたんで、それ以上の物がgetできてよかったです。
家にいなくても、マンションに宅配BOX付いてるんで大丈夫です。」
やくざえもん:「嬉しそうだな(笑)
『日本に帰る』のがそんなに楽しみか?」
つくも:「そうですか?普通ですよ。
この一週間色んなこと勉強させてもらえたし、物件押さえただけとは言え、店のことまで進めてもらったし。」
やくざえもん:「やっぱまだガキなのな。
『人間は近づかせない』ウーって、うなってる豹の子が、『早くエサちょーだい』って顔になってる自覚ねーだろ?」
つくも:「なんですか、その表現。
俺は馴れ合うのは元々好きじゃないですよ。
下心あって寄ってくるやつと付き合うより、1人でいた方が楽です。」
やくざえもん:「そんな豹の子が気を許したのが、失恋した坊やと杉田ハルさんなわけだ。」
つくも:「失恋した坊やって、そんなちょっとの話よく覚えてますね?
しかも俺は男だって言ってなかった気が…。」
やくざえもん:「なんだぁ?
なんなら当ててやろうか。
失恋した坊やは、売上対決してたエレアちゃんだろ。で、恐らくその恋人も男だ。」
つくも:「………いや…今さら誤魔化す気はないですけど、なんでそこまでわかるんですか?」
やくざえもん:「俺がblue moonに行って、お前らとそれぞれ話した時、ピンときた。
エレアちゃんはド直球で『好きなやついます』、反面つくもは『この仕事してたら、いるって言いませんよ。』
わかりやすいだろ?」
つくも:「いや、今の会話だけでわかるの津田さんくらいだと思います。」
やくざえもん:「そうか?
特につくもは全面に情熱と嫉妬が、殺気立って出てたから、そしたら相手は1人しかいないだろう。
なんだか最近は天然ミジンコのお陰で悟りを開きつつあるがな(笑)」
つくも:「ミジンコって、ハルさんですか?(笑)確かに毒気抜かれるって言うか、歯向かう気にならないって言うか、そーゆーのはありますね。ってか、ミジンコってやめてやってください。」
やくざえもん:「えー。あいつの頭はミジンコだぞ?ミジンコがダメならミカヅキモか?」
つくも:「いや、なんで微生物詳しいんですか。一旦、微生物から離れましょ(笑)」
やくざえもん:「考えてやらんこともない。
ただし条件がある。」
つくも:「またなんかお仕置き的な?」
やくざえもん:「違う違う。今回はつくもだ。
そして、つくもにも悪い話じゃない。」
つくも:「なんですか?」
やくざえもん:「つくも、うちでモデルやらねーか?タッパはちょっと足りねーから、ショーモデルは無理だとしても、雑誌とかなら充分イケる。大々的にやるのは、大学入ってからだとして、高校の頃はまずミゲルの店の広告用からだ。
ホストをプレイヤーでやるか、社長オンリーかは決めてねーみたいだが、現役モデルってハクがつきゃ、つくもにも悪い話じゃないだろ?」
つくも:「確かに美味しい話ですね。
でも、あくまでも大学と店優先なんで、あんまり動けないかもですよ?」
やくざえもん:「それは、分かってるよ。
じゃあ、後は保護者に許可取ってこい。」
つくも:「保護者?代理人は津田さんじゃないですか。」
やくざえもん:「今はな。
でも心中穏やかじゃないオオカナダモがいるから、一応話はしてこい。」
つくも:「また微生物(笑)
あ、そう言えば、あの合成写真はいつ見せるんですか?」
やくざえもん:「そうだなぁ。お仕置きも半分くらいは終わったし、ゾウリムシが『引っ越す』って言い出したら、見せていい。
で、『やっぱ日本が一番だ』くらいは言ってやれ。たまにはアメもやらんとな。」
つくも:「引っ越すって…。
………わかりました。いつその時が来るかはわかりませんが、もし打ち明けてくれたら見せます。色々ありがとうございました。」
やくざえもん:「出世払いでいいなんて、甘いことは言わねーぞ。モデルとして動けるうちは動いてもらうし、お前の仕事の美味しいとこには必ず一枚噛ませてもらうから覚悟しとけ。」
つくも:「じゃあ、甘えついでにもう一つだけ!
店の名前決めてくれませんか?
英名にしたいとは思ってるんですが、英語のホントの意味知ってて、和製英語みたいなのも知ってると、考えれば考えるほどわからなくなって…。」
やくざえもん:「おいおい、そんな大事なこと俺に任せていいのか?陽気で酒好きのタダのオッサンだぞ?」
つくも:「陽気で酒好きで世話好きの不思議なオッサンだから頼むんです。お願いします。」
やくざえもん:「あー、なら候補だけな。
さっきの話から『passion』『jealousy』『nirvana』のどれかだな。」
つくも:「なるほど。さすがですね。
ありがとうございます。考えます。」
やくざえもん:「よし!しばらく物件回りに備えて控えめにしか飲んでなかったから、今日は飲むぞ!」
つくも:「え?あれだけ飲んでて、控えてたんですか?」
やくざえもん:「当たり前だ!明日からの活力のために飲む!そして終わったら褒美に飲む!このサイクルが俺の原動力だ。」
つくも:「ホントに酒好きですね。」
やくざえもん:「なんだ?その呆れ顔は!
当然つくもも朝まで飲むよな?」
つくも:「はい。最後までお供します(笑)」
(こうして、5日間続いたやくざえもんとつくもの『トロントの旅』は終わりを迎えた)
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