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第97場 ハルの家
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【第97場 ハルの家】
(12月16日日曜日 23:00)
ハル:「やっぱり、恵比寿の近くか?
さすがにそれは、うざいか。
でも、なんかあった時にすぐ行ける距離で、と。
大崎、目黒あたりか。
よし!
この際だ!家具も一新しよう!
12月でボーナスも出るしな!
今あるものはオークションに出すとして…
オークションアプリはメルカリが一番か?
えっと、スマホはっと。」
♪ピロリン
『つくも:お仕事お疲れ様です。帰国しました。土産あるんで、都合いい時連絡ください。』
ハル:「帰って来たか!
今からでも…ってさすがに時間的にまずいな。
でも今週は年末合併号の企画で、次の日曜日まで確実には休み取れないし。
待たせたら悪いから、確実な時だな。
『ハル:悪い。今週は仕事で日曜日まで休みがないんだ。来週の日曜日でもいいか?』
♪ピロリン
『つくも:大丈夫です。何時ごろ行けばいいですか?』
『ハル:8時には起きてるから、それ以降なら何時でもいい。』
『つくも:ちょっとした《時差ボケ》あるんで、夕方伺います。』
ハル:「なんで時差ボケに《》がついてるんだ???ま、いいか。」
『ハル:よし!じゃあ久しぶりに晩飯一緒に食おう!』
『つくも:わかりました。なにか買ってくものあったら当日連絡ください。また当日連絡します。』
『ハル:了解!!』
ハル:「よし!一週間プラス一週間で二週間か。なんかすごい長い気がするな。
って!明日!
社長のアポ、朝イチだった!
早めに出ないと!
絶対今回は負けないぞっ!」
(翌日 終英社)
(社長秘書室)
ハル:「すみません、8:30から社長とアポを取らせて頂いてるジャンプ~編集部の杉田ですが。」
秘書:「すみません。あいにくまだ社長は出社されていません。」
ハル:「え?何時ごろに来られるんですか?」
秘書:「私からは何とも申し上げかねます。」
ハル:「それってつまり社内にはいるってことですよね?」
秘書:「あ…。」
ハル:「わかりました!自分で探します!
ありがとうございました。!」
(屋上 やくざえもんタバコを吸っている)
ハル:「はぁはぁ、見つけましたよ!」
やくざえもん:「お、ミジンコじゃなくて、オオカナダモじゃなくて、なんになったんだっけな?
めんどくせーから、ミジンコでいいか。
どうした?ミジンコ。息切らして。」
ハル:「今日8時半に社長とアポ取らせてもらってたんですが…。」
やくざえもん:「そーだっけ?時差ボケでわかんねーなー。で、よく発見できたな。」
ハル:「社内にはいるって聞いたから、まだ会議の時間じゃないし、1階から順番に喫煙所探しました。」
やくざえもん:「ほー。ミジンコの割には頭と体使えるのな。
社内にはいるってバラしたのは、あいつか。コレだからケツの軽い女は信用できねーんだよなー。」
ハル:「社長!真面目な話があるんです!
やくざえもん:「俺はいつだって真面目だ。」
ハル:「茶化さないで聞いてください。
つくもの法定代理人、俺に代わってください。」
やくざえもん:「お前の婚約者元気か?入院してんだって?」
ハル:「元・婚約者です。今週退院するはずです。じゃなくて!」
やくざえもん:「なんだー?同時に何人も面倒見るなんて、お前は将軍で大奥でも作る気か?」
ハル:「元婚約者とは、完全に終わらせました。もう連絡も取りません。俺は社長のことは信用してますけど、でもつくものことは俺が守ってやりたいんです。」
やくざえもん:「ふーっ。却下だ。」
ハル:「なんで?!」
やくざえもん:「やっぱりミジンコはミジンコか。ファーストチャレンジクリアしたのに、まだ頭は足りなかったか。」
ハル:「どういう意味ですか?」
やくざえもん:「俺は今、新しいビジネスが上手くいってて機嫌がいいから教えてやる。
普通に落ち着いて考えろ。
法定代理人になるには、弁護士通して家裁の決定が必要なんだ。ついこの間、俺を代理人として申請したのに、一週間やそこらで再申請したら、怪しまれて許可おりねー可能性が高いだろ。」
ハル:「あ……。」
ハル:「それと、お前のつくもに対する根本的な考え方を見直してからだ。
頭に血が登りすぎてて、偏り過ぎてる。
俺がつくもを理解してるとまでは言わねーが、俺はつくもを買ってるから、つくもを正しくわかってやれるやつにしか譲る気はねーな。」
ハル:「わかりました。
時間的なことは仕方ないので、今は引きます。
でも、大学の入学には間に合わせたいから、それまでにつくもとの信頼関係築いてみせます!
失礼します!」
(エレベーターの中)
「社長の言葉はやっぱり重いな。
つくもに対する根本的な考え方か。
…はぁ、早く日曜日にならないかな。」
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