アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
30
-
彼もまた苦痛な表情を浮かべている。
僕には彼の気持ちが分からない。
でも、
今なら聞ける気がした。
だから、
聞くね。
僕がずっと君に聞きたかったこと。
「僕は…どうすれば良かったのかな?」
彼だって同じだ。
きっと僕が分からない。
「何かを言えばよかった?
君を独占すればよかった?」
僕の問いには答えてくれない。
答えられないのだろうか。
「君は僕に、
どうして欲しかった?」
「…お、俺は…っ」
とても辛そうな声。
涙を堪えているような声。
ああ、
分かってしまった。
「僕は君を…ずっと…傷つけていたんだね…」
今にも泣きそうだ。
目頭が熱くなるのを感じる。
今この場で泣いていいのは僕じゃない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 133