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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ27
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俺の体はそのまま倒れたが、地面の感触はなく代わりに温かな体温を感じた。
事態を理解するのに数秒掛かった。
どうやら俺の体は追い掛けてきた立花に抱き竦められているようだ。
走って来たのか立花は肩で息をしている。
回されている腕はぎゅうっと力が入っていた。
動くなって言ったんだがな……。
「あれ?律?」
雪見は来訪者の男に声をかける。
名前を呼んだと言うことは知り合いで間違いなさそうだ。
その様子を見て、ふっと体の力を抜いた。
それにしても、
「……おい、いい加減離せ。」
周りが見えていないのか、立花は俺を抱き締めたまま動かない。
仕方なく引き剥がそうと腕に手を掛ければ、それが震えていることに気が付いた。
短く息を吐き出し、腕に掛けた手を立花の頭に乗せた。
「……おい、こっち見ろ。何もないから、もう離せ。」
ビクッと体が反応を示し、立花は顔を上げる。
周囲の状況を認識すると慌てて俺から離れていく。
「す、すみません!何か雰囲気が危険だったので、つい……」
やっと解放された体を起こし、土埃を払う。
立花も同じように立ち上がると土埃を払った。
「ええっと……この状況は一体…?」
雪見が気まずそうに口を開いた。
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