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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ28
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「瀬の部屋のインターフォン押そうとしたら、この不審者が絡んできたんだよ。」
“律”と呼ばれた男は俺を不審者と称して指した。
「もう!律、失礼だよ!この人達、律がお願いした何でも屋さんだよ!」
雪見は男に対して咎めるような口調で説明をする。
男は雪見の言葉を聞くと、俺と立花の顔を交互に観察し、ふっと不適な笑みを浮かべた。
「なーんだ、もっと頼りになりそうな感じだと思ってたのに。期待外れ。」
「律!」
雪見は男を制するように声を上げた。
「…だったら何でも屋なんかに頼まないで自分で守ってやればいいだろう?」
「倉橋さん……」
男はピクリと眉を動かし、立花は俺の服の裾を掴んだ。
「俺だってそうしたかっーー」
「ーーもう!家の前で喧嘩しないでよ!ほら、律何か用あったんでしょ?中で聞くから。」
男は雪見に迎え入れられ、中へと入っていく。
ドアを閉める前、雪見はごめんなさいと頭を下げた。
ドアが完全に閉まり、俺は立花に目を向ける。
立花は俺の視線に気づき、その目を逸らした。
何故だかは分からない。
けど今、立花が考えていることが分かる。
きっと怒られるとでも思っているんだろう、と。
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