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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ32
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瀬side
倉橋さんが場を外すと告げて、立花さんを連れ立って行った。
部屋の中へ戻ると律が不機嫌な顔をしてソファーに腰掛けている。
「何だって?」
「少し場を離れるって。」
「ちっ……職務放棄かよ。」
「そんなんじゃないよ。昨日からずっと見張っててくれてるんだから少しは休んでもらわないと。」
隣に腰掛け、律を宥める。
「そんな顔してると、折角の綺麗な顔が台無しだよ?」
米原 律(ヨネハラ リツ)は幼馴染みで親友で……
それから、恋人でもある……。
そして世間では若手人気モデルとしても有名だ。
昨日まで海外での撮影に行っていた。
「なんだよ、お前は俺の顔だけが好きなのか?」
「そんなわけないよ。全部引っくるめて律がいいの。」
律は険しかった表情を緩め、上機嫌なものへと変わる。
それからぎゅっと体を抱き締めてきた。
「…ごめんな、傍にいてやれなくて。」
「いいんだよ。僕はモデルしてるときの律も好きだから。」
「分かってる。でも大きな仕事も終わったし、極力傍にいるから。」
「ありがとう。でも今回みたいに勝手にボディーガード付けたりするのは無しね。ちゃんと事前に話して。」
頬を膨らませたが、それに対して肯定の言葉はなかった。
「それにしても倉橋さんと立花さん、大丈夫かな…?」
聞き知らぬ名前に律は首を傾げた。
「さっきの何でも屋の二人だよ。黒髪のクールな人が倉橋さんで、赤茶色の髪の綺麗な人が立花さん。」
「ああ、そう言う名前なんだ。あの二人がどうかしたのか?」
「なんか今朝は和やかな雰囲気だったはずなんだけど、講義終わって合流したら重たい空気流れててさ……」
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