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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ41
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直side
倉橋さんを残し、僕達は大学へと向かう。
道中、雪見くんが後ろを歩く僕を振り返った。
「あの、訊いてもいいですか?」
「はい、何でしょう?」
「立花さんは倉橋さんの同僚って訳じゃないんですよね?お二人の関係って一体……同級生とかですか?」
同級生……
そうと言えばそうなのかもしれない。
最も少年院のになるわけだが。
「…………少し複雑な関わりなんです。」
何と答えるべきか分からず、曖昧な返答になってしまった。
「そうなんですか。すみません、訊いちゃいけないこと訊きましたよね。」
「いいえ、でもそうですね……一つだけ言えるのは……倉橋さんは僕の生きる糧ってことです。」
「生きる、糧……?」
「ふふふ、大切にしてると言うことです。」
そうしたら雪見くんは笑って納得してくれた。
「最も、そう思ってるのは僕だけで倉橋さんは何も感じてないと思います。僕の片想いってやつですね。」
「………そうですか?僕は倉橋さんも立花さんのこと大切に思ってると思いますけど。」
それはないな、と心で思いながら雪見くんにはありがとう、と告げた。
「でも倉橋さんは本当にそんな事思ってないんですよ。ただ見た目と反して優しい方なので、気に掛けて下さってるだけなんです。」
「でも………」
「ああ、そうだ。僕もお訊きしたいことがあったんです。あの律という方何処かで見た覚えがあるんですが…」
「それならきっと雑誌かテレビだと思います。律、モデルやってるので。」
なるほど。
確かコンビニでバイトしてたとき並べた雑誌の表紙になっていた気もする。
「律さんは雪見くんのこと大切なんでしょうね。」
言ったそばから雪見くんは顔を赤くしていく。
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