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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ42
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「そ、そう見えますか?」
「はい、僕にはそう見えましたよ。今朝方も雪見くんのことを心配してお仕事に向かわれてました。」
雪見くんは更に顔を赤くさせ、恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
その仕草は男の僕から見ても可愛らしい。
「可愛い…」
「か、からかわないでください!」
思わず出てしまった呟きに雪見くんは批難の声をあげた。
「ふふふ、すみません。」
「もう………。立花さんってよく笑うんですね。倉橋さんとは対称的。でも倉橋さんがニコニコ笑ってたら、それはそれで怖い気も……」
雪見くんの言葉で僕も倉橋さんがニコニコ笑う姿を想像してしまった。
それから雪見くんと目を合わせ、同時に吹き出してしまった。
「ふふふ、それは確かに似合いませんね。」
「ちょっ、立花さん、笑いすぎ、あははは」
「雪見くんだって、ふふふ」
お互いにひとしきり笑って、ようやく治まった頃にはお腹が痛かった。
「倉橋さんにバレたら怒られそうです。」
僕の言葉に雪見くんは確かにと頷いた。
「じゃあこれは僕と立花さん、二人だけの秘密ってことで。」
雪見くんはいたずらっ子のような笑みを浮かべ、人差し指を口許に当てた。
僕も習うように人差し指を口許に持っていく。
「秘密、ですね。」
ニコッと微笑みあって、僕らはまた大学までの道を歩き出した。
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