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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ46
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到着した警察に男と証拠の写真を引き渡した。
それから被害者にも事情を聴きたいということで雪見も同行することになった。
「…倉橋さん、ありがとうございました。立花さんの容態、後で教えて下さい。絶対ですよ?」
「……分かった。」
応えてやれば雪見は安堵の表情を見せ、部屋の鍵を手渡してくる。
「ポストに入れておいてください。」
立花を運び出したあと、鍵をポストに入れておけと言うことだ。
パトカーが走り去るのを待たずして、俺は雪見の部屋へと戻った。
部屋では立花が横になりながら顔をしかめていた。
「………生きてるか?」
「ふふふ、何とか……」
意識はハッキリしているが呼吸は辛そうだ。
「……帰るぞ。」
部屋に運んだときと同じように横抱きにしようと立花の膝裏に腕を忍ばす。
「あ、それはちょっと………い、くら何でも……恥ずか、しいといいますか……」
息途切れ途切れに何言ってんだか。
「黙ってろ怪我人。」
「………はい。」
渋々と言った様子で押し黙る。
仕方ないと着ていたコートを立花に掛けてから、その身体を持ち上げた。
「あの、」
「夜で視界が悪くても出血したままだと騒がれる可能性がある。」
「ああ……」
「恥ずかしいならそれで顔でも隠しておけばいい。」
立花は少し思案して、コクりと頷いた。
雪見の部屋を後にして、予め呼んでおいたタクシーへ乗り込む。
運転手には怪訝な顔をされたが、特段騒ぎ立てることもなかった。
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