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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ47
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アパートへ立花を運び込み、ベッドへ寝かし付ける。
それから救急箱を取りだし、手当てと呼べるか怪しいが消毒と包帯を巻いた。
消毒液を吹き掛けたとき立花は苦しげだった顔を更に歪めた。
一通り手当てを終え、俺も一息付こうと隣のベッドへ寝転がった。
「倉橋さん、ありがとうございます。それからすみませんでした…」
「……いいから寝ろ。」
立花は口を閉じ、暫くすると寝息が聞こえてきた。
その息遣いを聞きながら俺も眠りに落ちていく。
眠るのは何日ぶりだろう……。
ーーーーーーーーーーーー
荒い息遣いに目が覚めた。
どのぐらい眠っていたかは分からない。
身体を起こして隣のベッドを見れば、立花が魘されていた。
肩で息をして、額には汗が浮かんでいる。
近付いて声を掛ければうっすらと目が開く。
が、視線は俺を捉えない。
「おい、聞こえてるか?」
「ハァッ……ハァッ………」
体に触れれば予想以上に高い温度が伝わってくる。
呼吸も浅く、シーツを掴む手は力の入れすぎで真っ白くなっている。
「………立花、病院へ行くぞ。」
そっと声を掛ければ、立花はビクッと身体を震わせた。
「や……ぃやです……ハァッ………病、院は……ぃや……ハァッ……」
「死にたいのか?悪いが引き摺ってでも連れていく。」
立花の身体に手を伸ばすと小さな抵抗をされた。
「ぃ、やだ……どして……貴方が……ハァッ……気にすること、じゃ…ない……」
「………………」
「僕のこと、なんて……」
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