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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ50
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「はーい、イチャイチャするなら治療終わってからにしてね。」
背後から聞こえてきた声に振り返ればニヤリと笑う上月の姿。
「……いつから」
「ん?君がその子に、でこちゅーするところから。」
「……悪趣味。」
「怪我人襲ってる奴に言われたくないなぁ。」
上月の手には怪しげな器具が用意されている。
キャスターつきのテーブルをベッドの脇に設置させ、その道具を並べる。
「じゃあ少し手荒なことするから君は事務所の方で待ってて。」
「………分かった。」
もう一度立花の額に触れ、それから胸元の手を優しく解いてやる。
「……頼む。」
「任せなさい。」
へらへらしているが、上月なら何とかしてくれるだろう。
俺は事務所の方へ出て、ただ時間が過ぎるのを待った。
ドアの向こうから立花の悲鳴にも似たくぐもった声が聞こえると胸がざわついた。
2時間が経過した頃、ようやく上月が部屋から姿を見せた。
詰め寄る俺を見て、微笑みを見せる。
「大丈夫、無事終わったから。どうやらナイフに興奮作用のある薬を塗られていたみたいだね。それと傷の炎症が重なってしまったみたいだ。」
「………もう大丈夫なのか?」
「傷の手当てはしっかりやったし、腫れは引いていくよ。ただ、薬の方は効果が切れるのを待つしかないね。死にやしないけど辛いはずだ。」
「どのぐらいで切れるものなんだ?」
その問いに上月は眉を下げる。
「それはわからない。量はそんなに多くないだろうから、明日の朝には引くはずだよ。」
「………そうか。」
「ただ無理やり理性を殺されてるんだ。男なら分かるだろう?辛い以外の何でもない。傍についててあげると良い。あ、僕は近くのホテルにでも泊まるからお気遣いなく。」
ぽんっと肩を叩かれ、上月は横切っていく。
「あとで依頼料とホテル代は請求させてもらうよ。」
抜け目ない台詞を言い捨て、上月は事務所から出ていってしまった。
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