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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ53
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肩を叩かれて目を覚ます。
「やぁ、おはよう。」
満面の笑みの上月の顔。
寝起きには少々ウザったい。
「寝るならソファー使ってくれれば良かったのに。」
言われ、自身が椅子に座ったまま眠っていたことに気が付いた。
「熱い夜は過ごせた?」
ニヤニヤ訊いてくる顔を無視して、ベッドの上に視線を移す。
立花はまだ眠っていた。
顔色は悪くないし、呼吸も乱れていない。
「取り敢えず容態は安定したみたいだね。」
「ああ……迷惑を掛けた。」
仕事だから問題ないと上月は笑う。
それから茶封筒を差し出された。
「ストーカー被害解決の報酬だよ。」
「ああ……。治療の依頼料とホテル代は?」
「うん、それなんだけどね。その報酬で彼を喜ばせてあげてほしい。それでチャラにしてあげる。」
悪戯な笑みを浮かべる上月に対して俺の頭は疑問符だらけだ。
やっぱコイツ、何考えてるのか分からないな……。
「喜ばせるってどうやって……?」
「それは自分で考えなきゃ。後でちゃんと結果聞くからね。」
……絶対に無理だ。
今から溜め息しか出てこない。
「君にとって彼は大切な存在なんだね。」
上月にしては珍しく至極真面目な顔で俺を見た。
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