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CAGE2:あの日の同罪ー立花 直ー3
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どのぐらいそうしていたかは分からない。
気付いたら僕は父親に殴り飛ばされていた。
それから暫く殴られ続け、それが終わったのは駆け付けた警察が父を止めてのことだった。
ーーーーーーー
「あとはそのまま捕まって、倉橋さんも知っての通り少年院です。……父が精神病を患って入院しているのは院の中で聞きました。だから病院には近付きたくないんです。」
過去の話をしたことで身体が強張っていたらしく、ふぅーっと息を吐いた。
「……軽蔑したでしょう?」
自嘲気味に笑って倉橋さんを見れば、いつもと変わらぬ表情で僕を見下ろしている。
「………いや。言っただろう?俺も同罪を課せられたと。」
「けど僕は実の母親に手を出したんですよ?」
「それもひとつの好きの形だろう?」
真っ直ぐ向けられる目には同情の影もなくて……
ああ、この人は……
「……僕は、まだ」
なんて優しい人なんだろうと、
「人を好きになるのが怖いんです……。」
改めて思った。
「僕はまた好きな人を、大切な人を傷付けてしまいそうで怖いんです……」
じわりと目頭が熱くなるのを感じて、視線を逸らす。
「……余計な心配だな。」
徐に聞こえてきたかと思ったら、次の瞬間には腕を取られ、ベッドに押さえ付けられていた。
「ぇ……な、何?」
「逃れてみろ、俺から。」
言われ腕に力を込めるが微動だにしない。
「……どうした?」
浮かべる笑みは意地が悪い。
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