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CAGE2:あの日の同罪ー立花 直ー5
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ああ、僕はきっとこの人が好きなんだ。
そんな気持ちを受け入れてしまったら急激に心が軽くなった。
と、同時に恥ずかしさが込み上げてくる。
「……?どうした、顔が赤い。また熱でも上がったか?」
「い、いえ……なんでもありません……。」
自分でも顔が熱くなっているのが分かって、手を引っ込める。
「……好きなものはあるか?」
突拍子もない質問に僕は呆けて首を傾げた。
「好きなものですか?」
「ああ、好きなもの、好きなこと、してみたいことでも構わない。」
いまいち意図が掴めず、頭の中は疑問符で埋まっていく。
「治療を頼んだ依頼料だ。立花を喜ばせろと。」
「それはまた…変わった依頼料ですね。」
「……アイツは……所長は変わった奴だから。」
倉橋さんに変わった奴呼ばわりされるだなんて、よっぽどなんでしょうね……。
「そうですね……紅茶が好きです。あと甘いものも。あ、してみたいこと!あります!」
「?」
「映画を観に行きたいです。」
「映画?」
「はい。実は小さい頃から好きでして……ジャンルは問いません。」
倉橋さんは少し思案して、了承の返事をしてくれた。
「…体調が回復したら連れていくから、観たいものを決めておけ。」
「はい。ありがとうございます。」
それから倉橋さんがゆっくり休めというので僕は言葉に甘えて、眠りについた。
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