アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
CAGE2:あの日の同罪ー立花 直ー8
-
会計をしようとした立花の手を止め、代わりに俺が店員に料金を手渡す。
その際、牽制の意味を込めて睨んでやる。
「く、倉橋さん……顔怖いです。」
何故だが立花もダメージを受けてしまったようだ。
出来上がりを待って、それぞれ受け取り、近くのベンチへ腰掛ける。
「いただきます。」
言うな否や立花はクレープを口にする。
「ん〜おいひいでふ。」
モグモグと食いながら感想を述べる姿に思わず笑った。
そう言えば雪見も肉まん食いながら同じ事をしていた。
やっぱ似てるな……。
「……食うか喋るかどっちかにしろ。」
「す、すみません……美味しくて思わず……。一口いかがですか?って、倉橋さん甘いのダメでしたね。」
一度差し出してから引こうとした立花の腕を掴んで、口元へ寄せる。
「え、倉橋さん止めた方が……」
なんて心配の声を他所に、甘い匂いのするクレープにかじりついた。
「……甘い。」
チョコと生クリームの甘さが口を駆け巡る。
想像していた以上の甘さに顔をしかめた。
「だから止めた方がいいと言ったんですよ。」
呆れたような言葉だが顔は笑っている。
「アンタが旨そうに食うから。」
「ふふふ、なんですかそれ。」
今度は自分の手のものを食べる。
うん、甘くなくてこっちの方がいいな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
65 / 269