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CAGE2:あの日の同罪ー立花 直ー17
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事務所を訪れてから2日後……
僕は今、ホテルの食堂にて葉桜さんと珈琲を飲んでいる。
向かい合うように座っているけれどお互いに視線は横に向けられていた。
僕から見て右斜め前方向、少し距離のある席に倉橋さんが座っている。
その隣にはわざわざ並んで座っている女性の姿。
茶髪のショートヘアーに、紅色のワンピース。
裕福な環境にいることが目に見える。
何でも屋へ依頼に来たのはこの女性の旦那さんらしい。
内容はシンプルなもので女性と離婚したいがなかなか別れてくれない。
だから男と浮気した証拠を残して別れたいとのこと。
俺を好きなんじゃない、俺の持つ金が好きなんだと言っていたらしい。
それで浮気相手として倉橋さんが選ばれたわけなんですが……
僕は視線の先を見てモヤモヤとした感情を抱いてしまう。
普段は見せない優しい顔で笑う倉橋さん……
あんな顔も出来るんですね……。
思わず溜め息が出てしまう。
「どうした?」
二人の様子をこっそりと撮影していた葉桜さんが僕の溜め息に気がついて、投げ掛けてくれる。
「いえ、何でもないです。上手くいってそうで良かったなって……。」
実際ここに来るまでの倉橋さんは、それはそれは大層不機嫌で……
正直少し不安でもあったのだけれど……
いざ始まれば別人だ。
「ああ、あれには驚いた。この写真見せたら上月さんもビックリするだろうな。」
それには同感。
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