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CAGE2:あの日の同罪ー立花 直ー19
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倉橋さんが部屋から出てきたのは、更に10分が経った頃だった。
その姿を見つけて僕は駆け寄る。
「あ、馬鹿、まだーー」
葉桜さんの制するところは分かっているけど、衝動的な行動に抑えられない。
「倉橋さん!」
駆け寄れば倉橋さんは虚ろな目で僕を見た。
「……倉橋さん?」
よく見ればふらふらとしていて、立っているのがやっとな状態だ。
「立……花……」
僕の姿を認識して、凭れ掛かるように倒れてきた身体を受け止める。
「倉橋さん!?どうしたんですか?どこか怪我でも…」
「なん、でもない……いいから、早く……行く、ぞ」
と言うもののその身体に力は全く入っていない。
「ーーとりあえず移動しよう。」
葉桜さんも協力してくれて倉橋さんを支え、人目を避けて駐車場へ移動する。
駐車場の端、黒いセダンを見つけて僕らは乗り込む。
「お疲れさまー。」
と運転席から楽しそうな上月さんの声がした。
倉橋さんと僕は後ろのシートへ。
シートに身を預けた倉橋さんは何とかギリギリで意識を保っているようだ。
「倉橋さん?どうしたんですか?大丈夫ですか?上月さんどうしましょう……倉橋さんの様子が…」
上月さんはチラリと後ろを振り返り、ニコッと微笑んだ。
「心配しなくても大丈夫。それ、眠いだけだから。」
「え……?」
何でも無いことのように言う上月さんに僕は首を傾げる。
「訳、話してあげたら?」
その言葉に倉橋さんは小さく舌打ちをした。
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